練り香水
ヒヤシンス、いい香りですこと。
夕方、ふみを連れてサックスのレッスンへ。
家の鍵を出すとき、バッグから、小さい丸い缶の練り香水も一緒に出てきた。
わたしの好きな大事な練り香水です。
「なにそれ?」とふみが。
見せたらまたなにか変なことをするんじゃないかしらと思いながら、蓋を開けてふみに見せたのです。
ふみ、瞬時に猛勢いで指を突っ込んだのです。
練り香水、ごじゃごじゃに。
わたしの大事な小さい丸い缶の練り香水が。
…。
週末の疲れもあるでしょうし、わたし、めまいをしてきて、怒りで震えるほどでした。
外ですし、人様の前に叱ったりもしたくないですし、気が付いたら、わたしは自分の指をひどく噛んだのです。
血はでませんでしたが、歯の痕がぐっきりと。指、紫色に。
ふみ、あやまる言葉、まったくないです。
サックスのレッスン中、魂はどこかに飛んでいて、殻だけそこに座っているわたしでした。
もう、たくさん!ふみという子は、どうしていつもこうなの?!
レッスンが終わり、先生はふみに、「どうも今日はママは疲れ気味だね、ハハハ」と。
?!「あっ、すみません」
"(-""-)"