霞か雲か
午前の塾が終わって、ふみが帰って来て、簡単にお昼を済ませて、
土手へ。ソメイヨシノを観に。
もう咲いているのかしら。この暖かさなら。
河津桜、寒桜、山桜、
わたしはやはりソメイヨシノが一番好き。
ほんわかのピンク、いいえ、青白くすら見える、
“燃える命”なんぞ野暮ったい言葉はまったく無縁な、命の儚さを見せてくれる、ソメイヨシノは、好き。
山吹とソメイヨシノ
椿とソメイヨシノ
スミレ、草、土手のソメイヨシノ
ふみは、お花見なんて、まったく興味なし。それでもわたしを付き合ってくれてた。
「ありがとうね、ふみ。今日も付き合ってくれて。つまらないと思うでしょうけど、でもね、いつか、ああ、小さい時に、ママにいろんなところに連れっててよかった〜、そう思う日はきっと来るよ」
「ふんん」
一年待って、せいぜい一週間、しかもこの一週間の間、雨が降ったり、寒かったり、
あっという間に、花吹雪、それから、花びらの一枚も見えなくなって。
そう思うと、もう一回花のトンネルへ。