電話


昨日なにもなかったのですが、今朝起きて、腰がやはり違和感がありました。

こういう時いつもブロック注射を受ける先生に電話を入れて夕方の予約をしていただいて。


お仕事が終わって、ペインクリニックへ。

腰の治療なので、お洋服で。
久しぶりのお洋服、なんだか照れます。



「一年ぶりですね、一年ちょっと」と先生が。

そうなんですか。もっと空いていたと思いました。

そうだったんですか、やはり年に一回ぐらい発作するのね。


忘れてるわたしは、幸せなんですね。


「五番目ね、今回も」と先生が診察して。腰椎のことです。


神経のブロック注射、慣れてますから、まったく緊張も恐怖もなく。血圧は、お注射の前も後も127〜78、ちっとも変わらなかったのです。
それからは電気での温め、それからは15分の安静。


湿布を頂いて、廊下で、スマホの着信があったことに気づき、ふみの学校からなのです。
慌ててかけて、担任のN先生でした。

3年生の後半に、同級生の女の子のRちゃんが、ある失敗をして、クラスメイトの40人が、それをなにもなかったかのように、忘れてあげました、誰も口にしないようにしてました。


そんな中、ふみくんだけは、Rちゃんの失敗をわざわざ口にして、何回も何回も。
この、人の失敗をカラカウことに、お友達を我慢できず、先生に教えたのです。

先生はふみを呼んで、怒って、Rちゃんに謝るようにしてと言ったら、ふみはRちゃんに謝って、Rちゃんは、「いいよ」と答え。

その後Rちゃんが先生に、いいよっと言ったけど、許すことができない、あと十年二十年後、許す気持ちになれるかもかわからないが、今は、できない。と言ったそうです。

「お母様からも、ふみくんに言い聞かせてくださいますように、お願いいたします。人の失敗をカラカウのがいけない、人を傷をつけることはいけないこと…」



申し訳ありません、申し訳ありません、とわたしはあやまりながら、頭が真っ白に。



どうして?どうして?

頭が真っ白。


わたしが知っているふみは、これだけはしないはず。

たまにわたしが誰かのことを言ったら、「ママダメよ、それ悪口になるんじゃない」とふみに注意されるほど。

自分より弱い存在は、ふみは、優しいです。クラスのハンディキャップを持っているお友達のこと、よく守ってあげて、そのお母さんに感謝されたり、
わたしが知っているふみは、人の弱みをからかったりする子ではない…。

もしかして、わたしはふみのことを、わかっていない、誤解している、…。

歩く力すら湧かなくて、せっかく治療して頂いて…。


夜、ふみを聞くことにしました。


ふみは素直に認めました。自分がRちゃんの失敗を口にした、みんなの前にした。と。


やっぱりそれは事実なんですね。なにかの間違えじゃないですね。

悲しいよふみ。これは、ふみが誰かお友達と喧嘩したとか、誰かお友達のものを壊したとかより、はるかに、ママは悲しい。
ふみは、自分より弱い存在の女の子を、無神経に傷をつけて、それなのにまったく自覚なく、人の痛みを無視して、

どうして?


震えるほどの怒りはあるが、けど、どこかで、わたしはやはり、信じられない、ふみはそういう子だと、どうしても信じられないです。


「ふみ、悪いことして、それ以上さらにウソをついたら、どうなるかは、わかってるね。だから、正直に言ってほしい。どうして?どうしてRちゃんをカラカウことをしたの?Rちゃんは傷ついてるよ、かわいそうに。クラス40人、誰もRちゃんに対してそういうことをしない、みんなわかってあげてる、どうしてふみが?ふみはどう考えたのか、教えてほしい」わたしは力を絞って。けど自分の声の無力さが、耳から入ってきて。

「ぼくはRちゃんに言ったよ。ずっと前から言いたかった。なんでそういうことをするの?!だってさ、休み時間5分もあるよ、みんなトイレに行ってるよ、もし行けなかったでも、授業中に先生にトイレに行きたいって言えば、行けるよ。なのにそういうことする。みんなの教室なのにさ、ダメだよ。ずっと言ってやりたかった。…」



ふみは、家ではだらだらして、甘えてばかりで、けど学校では、どうもしっかりしてるみたいです。1年から3年の三人の担任とも、ふみくんは自分のことをしかっりして、几帳面、だとの話しでした。

3年の担任の先生は、ふみ君は人に対して厳しいところがある、もっと相手の気持ちを分かってあげるようにしないと、とおしゃったことがあるのです。


登校時間や、学校の宿題など、ふみは自主的キチンとやっている。確かに。


自分に厳しいのはよいだが、人に厳しいのは、感心できない。


ふみは、明らかにハンディキャップを持っている、明らかに立場の弱い人には、優しいです。
けど、本人の基準から見て、普通の人なのに、きちんとしていない、だらしない人に対して、厳しい、との傾向があります。



「ふみ、それはあなたは自分を基準にしているでしょう。人はそれぞれだから、なんでも自分の基準で判断するのは、ダメ。それは自己中心になる。自分に厳しいのはいいけど、人のことを、理解してあげようとしない、寛大な心を持たない人間は、結局周りお友達どんどんいなくなるよ」

「それは先生も言った」

「人を傷つけちゃだめ、全クラスのお友達がわかってるのに、ふみだけわからない、Rちゃん、かわいそう、かわいそう、Rちゃんだって、みんなに迷惑をかけたくないから、我慢していたと思う。Rちゃんは誰よりもつらいはず、もしかして学校にも行きたくないかもしれない、でも勇気をだして頑張ってる、なのにふみ…」
気付いたら、わたしは涙が止まらない、涙ながら、訴えています。



ふみは、自分のしたことの重大さ、わかったと。明日から、Rちゃんが許してもらえるまで、あやまり続きます、と約束してくれて。



明日は、祝日。たまたまパパもお休み。
一緒に鯉のぼりを観に行こうと、前から思って。行く気にはなれないが、でも行こう、頑張っていこう。

心身とも、くたびれました。