まだ花巻

午前、宿のバスに乗って駅へ、

在来線にお乗りになった祖父母を見送りして。



今日も晴れて蒸し暑い。

東京より蒸し暑い。天気予報を見ると、東京、24度だそうで。



駅からの観光バスを予約して、時間になって、来たバス、なんと、わたしたち三人以外、いないのです。
貸切状態に申し訳なくて。


運転手さん、面白い方です。

宮沢賢治記念館?子供と俺みたいな人には、つまらないよ、わかんねぇもん」


わたしは“イギリス海岸”を気になって、お尋ねしたら、
「イギリス海岸?あれ、ただの川だよ、海岸と言ってるけど」

(((^_^;)


ちなみに、 ふみが覚えてる宮沢賢治の作品、
「雨にも負けず…」の最後、「そういう人、なりたいな」だって。

なりたいなって(^O^)



宮沢賢治記念館は、ちょっとした山の上にあります。
建物のテラス出ると、市内を一望。




主人は、記念館を建て直してから、だいぶ変わって、前のほうがよかった、と。

そう運転手さんに話したら、運転手さん、前の記念館は、よく知らないと。

運転手さん、××市出身で、震災で被災され、こっちで仕事を見つかり、暮らすようになったそうです。




観光バスのコース、午前と午後が違って、午後のコースには、「イギリス海岸」が入っていないが、
運転手さん、「イギリス海岸」まで、連れてってくださいました。

「海岸と言ってるけど、川だからね」と念入りに。



北上川。初めてこの川に出会ったのは、10年以上前でした。

それからは、ずっと、この川は、わたしの出会った川に、一番きれいな川だと思っています。

美しく、穏やか。


できれば、もっともっとここにいたかった。




高村記念館へ着いた時、ふみは車内で眠ってしまいました。

どうしようかと迷ってる時に、運転手さんが、「いいよ、俺、子守するから」

高村記念館を見学して、
高村山荘を見学して、




出てきたら、ふみはもう起きていて、運転手さんとお喋りしてました。

ソフトクリームを4つ買って、運転手さんにも。

ソフトクリームをみて、ふみと運転手さん、お互いをみて、ニヤニヤ。


バスに乘り、ふみの席を見たら、白いタオルがありました。眠ってるふみにかけてくれたのでしょうね。

宿に向かう車内、ふみはずっと運転手さんとお話をして、
「おじさんお名前は?」
「××くんだ」
(((^^)
「あ、ショベルカー」とふみは道端に止まってるショベルカーをさして、
「うん。震災のあと、俺もショベルカーの仕事で稼いでた」


「おじさん、ナビもないのに、よく道わかるね」

「や〜、そりゃ最初わからなかったよ…」

ふと、この運転手さん、震災の時、ご家族はどうだったのかなって、思って…。口にはもちろん出せないが。


生まれ育った町をやむをえず離れて、よそで新しい生活なんて、語り尽くせないたいへんさがあるに違いない。

花巻、とても広い町です。

「人影少ないですね、土日だからでしょうか?」とわたしは言ったら、

運転手さん、「ハハハハ、日曜日だから、でもないですよ、普段もこんなもんです。あそこ、あの食堂はいつも混んでるけど」と。





スポーツドリングを買って渡したら、運転手さんは照れて、
宿の前にさようならの時も、照れて、
お礼を申し上げると、それも照れて。

東北人、心温まります。

わたしは、東北人が懐かしく仕方がありません。


わたしのふるさとの人間を彷彿させるのです。

口べただが、ユーモアがある、
ぶっきらぼうに見えるが、照れる。


懐かしく仕方がありません。




夕食前、ふみから告白、
車内で、目覚めたら、運転手さん、ソフトクリームを買ってくれた。


パパママに内緒だと、運転手さんとお喋りしながら、二人でソフトクリームを食べた。
悪いと思って、お礼に、ふみはゴロゴロで座席の掃除をしてた。
なので、パパママまたソフトクリームを買ってくれてのみて、運転手さんと笑っちゃった、
と。

運転手さん、運転席にも座らせて、楽しかった、とふみが。




宿での夕食の時に、

一人初老の男性、普通にわたしたちのテーブルに座って、食べてます。

あれ?空いてるテーブルがございますのに。

本人、至って普通。静かに召し上がってます。

4人家族って感じ。

こっちも普通にお喋りを。
ふみ、さっさと食べて、部屋に戻ってサザエさんを見に行きました。


明日、仙台によって帰ります。