高野山

朝7時前、ふみと出ました。
朝7時というのに、すでに暑いこと暑いこと、

夏だから、しょうがないといえば、しょうがない。


阪急電車に乗って、地下鉄御堂筋線に乗って、南海電鉄に乗って、ケーブルカーに乗って、バスに乗って、

着きました。高野山



蓮華定院に行って、宿泊でもなく、檀家でもないのに、特別に拝観させていただいて、
若奥様はお茶とお菓子のおもてなしをしてくださって、

ありがたいありがたい。



Fさんともお会いして、作業中で、Tシャツがびしょ濡れで走ってきたFさんは、お痩せになったに見えます。


若奥様にお会いすることに、わたしは緊張して緊張して、

これだけ大きな、有名なお寺の若奥様だもの。

きれいなで、エレガントで、京風の顔立の若奥様は、お話好きで、笑顔も柔らかい。

なにもわかってないふみは、出されたお菓子やチョコレートを美味しそうに食べながら、若奥様とお話をして。
しかも、「足、ラクにしていいよ」と言われて、ふみ、即、正座からあぐらをかいて、


傍で正座するわたしは、ハラハラ、ハラハラ、なにか失礼ことないのかなって。

お菓子の懐紙を見て、ふみ、「あ、真田幸村の家紋だ」

さすが戦国武将が大好きなふみ。

若奥様が「真田幸村が好き?戦国武将の中、誰が一番好き?」

伊達政宗!」

同席しているFさんがその時、「あ、同じ誕生日」と自分のことを指差して、

「え‼ いいな〜」

「同じ仙台」とFさんはさらに、


「え”!!〜 いいな、いいな〜」


お菓子をいっぱいいただいて、若奥様からの「コウヤくん」ファイルまでいただいて、

若奥様がふみに「このおじさん、あ、お兄さんと言ったほうがいいかな、今、修行してるのよ。」

Fさんが「修行って、そんな」とハハハハと笑う。

若奥様にお礼を申しあげて、Fさんが境内を案内してくださいました。

真田家のお墓、幸村の兄と息子がいて、幸村自身は戦死したので、お遺骨はなかったそうです。

幸村の直筆のお手紙、
兜。


「幸村、ここに泊まったんだってよ、ここ」とFさんは畳を軽く叩きながら、

ふみとFさん、肩を並べて、その畳で仰向きに。


幸村の気持ち、少し感じたのかな、へぇ〜
違う違う、ちょっとちょっと、ダメでしょ。


高野山に来ても、自由人のままのFさん、ふみ、すぐファンになりました。


蓮華定院を後にして、Fさんと事務室の女性の方が、ご親切に道路までわたしとふみを見送りして、

怪しい雲が出てきたのを見て、わたしは「雨降るのでしょうか」

Fさんが「大〜丈夫っすよ、降らない降らない」

Fさんの言葉にホッとして、ふみと歩き出して。

奥の院まで、歩いて行きます。わたし、着物に下駄ですけどね。


金剛峯寺に着いた時は、日差しが強く、蒸し暑さは東京と大して変わらない。


金剛峯寺の観光客、多くて、長くいませんでした。

お腹が空いた空いたと連呼するふみ、一軒の食堂に入りました。

「満席です」との声で振り向いたら、レジに無表情の年配の男性が座ってます。

「ここで待ってても大丈夫でしょうか」

「しらん」

紫蘭?違う違う、知らん、ですね。

さいわいすぐ立つグループがいて、ふみと座れて、

割りと大きい食堂に、運ぶ方二人しかいなくて、混雑。

たちまち、レジのほうから「おい、なんとかしてよ、おい、急いでんっから」との怒鳴り声が聞こえて、

なんだか、下界と変わらないな〜って、苦笑してしまいます。


奥の院の参道に歩いてる時、遠雷が聞こえて。

「大〜丈夫っすよ」じゃなかったみたいね。


暑いですから、ぽつぽつの雨は平気だが、ここ、雷が落ちないでしょうね。


武田信玄豊臣秀吉のお墓に興味を示したが、ふみは、大分疲れがでてきたようです。

考えたら、朝5時に起きたもの、高野山に入ってから、ずっと徒歩だし、疲れた疲れた、でも口に出したら、歩けなくなる気がして、「ふみ、頑張ろうね、もうすぐよ」

わたしは日傘でパラパラの雨をなんとかしのいで、

ふみ、傘もないしね。


途中、どこかのお店の方が、参拝客に、どうぞどうぞと、傘を配っていて、ふみにも配られた。


空が見えないほどの杉の森の中の参道を、15分ぐらいでしょうか、歩いて、奥の院に辿り着きました。


本殿から、白髪の紳士二人出てきて、強くなってきた雨に戸惑って、「どうする?これ、すぐあがるかな」


ふみ、持ってる傘を差し出して、片方の紳士が「え?いいの?なんで」

「いいよ、途中でもらったから」

「あそう?いいの?」

二人の紳士は、合い傘で去りました。


その片方は、テレビによく出ている、原発かなにかの科学者です。

もちろんふみは知るよしもないが。


お大師さまの霊廟前に、ちょうどあるツアー団体と一緒になって、ふみと列に加わって、
「南無大師遍照金剛」
空から、ガラガラの雷が、

「南無大師遍照金剛」

空から、ゴロゴロの雷が。

雷のせいか、心臓まで震えて。


雨、ザーザーと降ってきて、

茶屋で、雨宿りすることに。

作家で文化人で出家して尼僧になったE氏が、ご法話をなさって、


なかなか落ち着きのある、いいご法話で、思わんよかったです。


雨上がり、参道に戻り、またFさんとばったり会い。
「雨降らないって言って、すみませんでした」と真面目にあやまられて、びっくり。

雨のおかげで、いいご法話に出会ったから。


駐車場から道路に降りて、日差しがでてきて、水溜りから蒸気が上がり、あたりは薄い霧の中、蒸し暑さが増して。


バス停の近く、自販機がありまして、疲れたから、普段飲ませない炭酸系飲料を買ってあげると聞いて、ふみ、元気が出てきて、

「炭酸って、美味しいね」「疲れた時にはいいね」と二人でCCレモンで感激してるとき、

バス、通りました!


(;´д`)

わたし、時刻表の平日のところを見てしまい、今日、日曜なのに。


さいわいその後、すぐ臨時便がきて、なんとかたすかりました。

ケーブルカーに乗って、南海電鉄に乗って、御堂筋線に乗って、新大阪駅でパパと合流して、

うちに着いて、夜の10時すぎ。

歩数計、二万歩超えました。