忘れ忘れ忘れ物
ハロウィンの街、この暖かさには、なかなかピンときませんね。
下校の知らせメールが来てから、しばらく時間が経ってから、ふみは半袖のまま帰ってきました。
ジャンバー、
体操着のズボン、
上履き、
を忘れ物にしました。
上履きは、一応袋を空っぽのまま持って帰ってきたのです。意味わからないや、中身がないことに気付かないのかな。
明日、また学校へこれらの忘れ物を取りに行かないと。もう何回目かしら。
Kくんとお喋りしながら、だらだらと帰ってきたそうです。
Kくん、勉強はあまり得意ではないが、「でもKくんは、サッカーが一流だよ」とふみが。
Kくん、サッカーチームで仲間外れされてる、と悩んでる、とふみが。
「へぇ〜、その悩みをふみに言ったの」
「うん。結構つらいって」
「そう〜、でも、理由は?ふみはなにかアドバイスをしたの?」
「するわけないじゃん、理由だって、聞くわけないじゃん、余計につらくなるだろう」
「じゃ、黙って聞いてるだけ?」
「“そうなんだ”は言ってるよ」
そうなんだ、へぇ〜、一応“そうなんだ”は言ってるんだ。
「Kくん、好きな女の子もいるって」
「え〜〜、誰?誰なの?」
「言うわけないじゃん、言わないでって言われてるから」
「いいじゃない、ママは誰にも言わないし」
「ダメダメ、約束は約束だから」
「へぇ〜、案外義理堅いね」
「“案外”は失礼だろう!でね、Kくんがね、前好きな女の子と、今好きな女の子が、戦ってるんだって、“え?二人競り合ってるの?”って聞いたら、“いや、ぼくの心の中で戦ってる”だって。その表現が面白くて、“なんじゃそりゃ”ってぼくが笑ったら、Kくんに叩かれた、はははは」
(^^)
夕方のサックスは、もうわたしは待合室で待つことに、そのほうがいいとふみが。