外套

午後、個人面談。


面談、わたしは二人分の時間でした。

言いたいことを、なんとかうまく伝えたと思います。もちろん険しい雰囲気はなくて、ゆっくり話し合いました。
ふみのあやまるべきところは、わたしはちゃんとあやまって、

ただ全員の前に、“お母さんが悪いからあなたがこうなのよ”、というのは、やめて頂きたいです。ふみ、ああ見ても、傷ついたみたいですよ、
と、笑顔で話しました。

先生、わたしに言われるまで、クラス全員の前に、生徒の誰に、“あなたが悪いのは、お母さんが悪いじゃない?”というのは、教師として言うべきじゃないと言うことを、気づきなかったようです。
“お母さんが悪い”という効く方法を発見しただけ。

なので、「あ、私はなんということを、ごめんなさい!あ、とんでもないことを、そこまで考えてなかった、ふみくん、傷ついたんですね、ごめんなさい…」と、泣きそうになって、何回もあやまってました。

そのたびに、「恐縮です」とわたしは。

先生は、長く重そうなつけまつげをつけてらっしゃる、「私、ふみくんのお母さんが悪いと思うところか、いつも言ってますよ、クラスで、ふみくんのお母さん、いつもきれいで、羨ましいって」。

?、それもどうかと思いますけど。

悪気はない先生でしょうね。ただ、限界が。

面談で、やめて頂きたいことなんて、別に言いたくなかったんですけど、でも、せっかく“効く方法”を発見したから、また使うんじゃないかっていう恐れを考えると。


わたしはずっと笑顔でした。

いろいろ話しました。

先生も先生でたいへんだと思うわ。ふみみたいな子は40何人もいて、毎日毎日、勉強、体育、部活まで、小学校の教師はたいへんだと思う。

でも、いくらたいへんでも、教師との立場に相応しい言動を忘れないで欲しいな。


夕方はサックスの年内の最後のレッスンです。

小さいクリスマスプレゼントも、ふみから先生に差上げました。


冷えてきて、サックスのレッスンには、ふみ、説得に応じ、コートを着ました。