雲の蓋

朝早く起きて、今日は、某大学附属中学の説明会に行きます。
電車に乗って30分あまり、さらにバスに乗って。


このへん、お亡くなりになったYさんのおうちにあるところですね。

お亡くなりになった直前まで、毎日と言ったらオーバーですけど、一両日に一回、うちにお電話をかけてきます。

大体夜8時10分頃です。
今日は元気でしたよ、
今日はちょっとどこどこが痛かったけど、
とのような内容です。


8時10分頃、電話が鳴ると、ふみがすぐ「Yさんだ」と言って、出るのです。

いつもちょっとしたおしゃべりしてから、パパに代わります。


漫画家のご主人がお亡くなりになって、
Yさんも、お亡くなりになりました。


本当に可愛らしいお声の品の良いおばあちゃんです。心臓を患わせてらっしゃるわりに、長生きでございました。


そんなことを思って、ふみに「このへん、Yさんのお住いだったのよ」

「へぇ〜」



バスを降りて、地図を握って、閑静な住宅街をどう通り抜けるのかと思ったら、親子連れ、静かにぞろぞろ、その群れに付いて行くだけに、らくでした。

雲ってて、寒いです。
ふみ、話を聞かず、長袖一枚だけです。


着きました。
ひゃ〜、キャンバスのきれいなこと!
広くて大学みたいだわ。

トイレ、やはり全部個室でウォシュレット、手を洗うところも全部自動です。

それに会場は、体育館ではなく、××ホールと言った、まるで小さい映画館のような場所です。
クラシックの音楽が低く流れて、ま〜、素敵ですこと!


2時間の説明会は、半分がここの受験へのアドバイス、仕組みへの説明です。

ややこしいことややこしいこと、一回受験、二回受験、三回受験、(一回に付き2万いくらかかります)、

受験当日合格の発表の仕方、
合格繰り上げ候補は、三回受験を全部うけた人から順次選ぶ、とか。
2月1日試験、2日発表、すぐ手続きを(つまりお金を払うことですね?)、
合格繰り上げは、電話で連絡、提出した電話番号にかけて出ない場合、その場で無効になる。
その電話は、午前かける、昼12時まで手続きしないと無効になる、
…。

戦争です。受験戦争。まさに。

わたしには、全く知らない初耳のシステムなので、一生懸命聞いて、理解しようと頑張って、メモして、
…。

わたしは、こういったことは本当は大の苦手、不得意、なにしろ商品の説明書を読むのもいやでいやで仕方がない人間なんですから。
脳の一番苦手の部分をえぐられているように、ストレスを感じてます。魚を陸で泳げと言われるようなものなんです。


2時間が終え、ヘトヘト。それから並んで校舎見学ですが、ふみが、見なくていい、帰る、お腹すいた、と。

はっ!!
(*_*;
腰が抜けそう。


校舎を見ず、バスを乗って、駅まで。
わたしはもう何にも考えられず、恍惚状態でお店に入って、注文して、目の前のふみが美味しそうに食べてる、わたしも一口を食べて、なにも味がしません。

いろんな思いが汲み上げて、ご飯を何粒口に入れて噛みながら、涙が急にぽろぽろ、ぽろぽろ、とまらなくなりました。



帰りの電車に、ふみは眠れました。頭が窓ガラスにぶつかり、ド〜ンとの音で一瞬目覚めて、またすぐわたしの肩で眠って。

車窓から、まるで大きいな蓋のような雲が、空を覆っている。



最寄りの駅に降りて、駅前、ふみの学校の校長先生とばったりお会いしました。

児童館の子供祭りを参加しにとおっしゃって。

たいへんですね校長先生は。
ラジオ体操やら、各地域のお祭りやら、全部顔を出さないといけないのですね。


ふみはその足で塾へ、国語検定試験を参加しに。試験のお金も払ってますから、行かないわけには参りません。


明日は、どこにも行かないでうちでごろごろしたいってふみが。

疲れましたでしょうね。
わたしもです。


今日の附属中、もし入ったら、ほぼ大学まで持ち上げです。結構いい大学です。



本当に秋らしく、寒くなりましたね。