春雷

幼い姉妹、姉とわたし。

姉のワンピースは、ベージュ色に、淡いブラウンのチャック柄。
わたしのは、淡いローズ色。
姉のカチューシャも、同じくベージュ色でした。

小さい時の出来事、あの時の空気、陽ざしまで、はっきり覚えているのに、もう何十年も過ぎてしまったものね。
昨日のよう。
人生は、夢の如く。
庄子が夢の中で蝶になったのか、蝶が夢の中庄子になったのか。



夕方、雨が急に降ってきて、雷はゴロゴロ、稲妻ピカピカ。


夢一つ 置き去る旅の 桜かな

ーー凡茶