空気が冷たい

紅梅が青空に映えて。



河津桜も咲き始めて。



中学校の制服の採寸の日(一週間置きの2日間)、ふみはインドにいます。

学校側とご相談をしましたら、三月の高校生採寸の時に変更して頂きました。

手続きの交付や、カバンの購入などは、予定通り、ふみは不在ですが、わたくし一人でまいります。
保護者面談もございますから。


カバン、今年より、リュックサックタイプもあります。
片肩にかけるタイプより、リュックのほうが、体の歪みが防げます。かしら。


そのカバンの購入日も、ふみのいないときです。

学校の先生がお電話で、事前に生徒が来ていただいて、カバンのタイプを確認したほうが。とおっしゃるので、夕方、ふみと中学校へ向かいました。


駅から、緩やかな長〜い坂を上りながら、ふみは「何というのかな、肌に合うというか。いろんな学校に行ったけど、ここは、入った途端、あ、ここだって、感じたんだよ。頭じゃなくて、体が。他の学校、いいなって思うのもあったけど、いまいちしっくり来ないと言うか」と。

ご縁でしょうか。

でもふみ日頃、こう言った系の話しが大嫌いですけど。

わたしのことをよく「迷信だよ迷信。恥ずかしくないの?」と批判したり。


先生のご案内で、カバンの見本を見て、ふみは、リュックタイプの大きいほうを決めました。

夕暮れの校庭、広々して、桜の季節は、桜が綺麗でしょうね。


その足二人は塾へ、今日は面談の日です。


受かってから、ふみは一度塾へ行って来ました。
先生がわたしに「お母様、おめでとうございます」
それから「ふみくんは、受かっても、ものすごく冷静で、全然浮かれた様子がなく、やー、すごく成長したなって、一同感心していました。とくに男の子の場合、“俺天才”って言いながら入って来る子が多いですから」


塾側は、中学校に入ってからも、塾を続けて欲しいとのご意向です。

私立の中学生も、塾に通う子が結構います。
学校の勉強にちょっと厳しかったり、自分の弱い科目だったり。

先生は、ふみに、せめて算数と英語を続けて欲しいとおっしゃって。

「いかがです?お母様」

「そうですね〜、こういうことは、ふみ自身に決めてもらうことにしています、いつも」

「ふみくん、どうですか?」

「う…ん、学校が始まらないと、まだわからないです。それに、学校も自習室とか、チューター制度とか、いろいろサポートがあるみたいで、間に合うんじゃないかなと思います」

「そう…ですか。四月学校が始まったら、皆さん仲良くしましょうとの感じで、いろいろイベントがあって、楽しく過ごせます。けど連休明けてから、いきなりテストが始まります。ふみくんの学校は、週に3回ほどテストがありますよ、…」


「なら、算数だけにします。ぼく、算数がちょっと弱いから」

「英語はいいの?」

「英語は、大丈夫だと思います。単語を覚えればいいですし」

「単語、覚えられそう?」

「はい。社会を覚えるときと同じやり方でいけば、大丈夫だと思います」


「でもふみくんの社会の場合、そもそも歴史とかが好きだから、その背景を知ってる上だから、記憶しやすい、じゃないの?」

「それはあるけど、でもぼく、地理が苦手でしたよ。けど、地図の記号とか、丸暗記しましたから。その方法でやれば、英語の単語も大丈夫じゃないかなって」


「あそうー、ま、そうですね。じゃ、算数だけにしましょうか」

「うん、もし、普通についていけるなら、そのとき塾をやめますから」


「そうね。あ、ふみくん、部活、決めた?」

「あ、はい。卓球部にしようと思って」

「卓球⁈えぇー、ふみくんらしくないというか、ちょっと意外だね」


「うん。野球やサッカーは、みんな小さい時からやってるでしょうから、ぼくだけが素人に決まってる、やってもしょうがないし。だからバスケット部にしようと思ってました。この前学校でみたら、バスケット部、インターハイ出場してるの、そんなチームに入ったって、ぼくみたいな素人は、雑用に回されるだけじゃないかなって」


「だから卓球部?」


「はい。たぶんみんな同じスタートラインに立てるというか」






わたくし、終始、なにも喋らないことでした。