生還
一人ですと、クーラーを付けなくても、大した暑さを感じなくて、扇風機さえあれば。
これはダメですね。こうしてたくさんの方が熱中症になり、命を落とす方も。
そう思うと、慌ててクーラーをつけます。
ふみから、何も連絡がなく、夕方になって、急にラインが入って来て、
もう、最寄りの地下鉄駅に出たというのです。
(*_*)
それまでは?ラインぐらい出すことができたのでしょう。
「お疲れさま」とだしたら、
「かたじけない」との返事が来ました。
玄関に立つふみ、まー、びっくり!
特殊メークでもしたのかと思うほど、真っ黒ですこと!
目と歯以外、真っ黒!
大きいリュック背負って、また大きいリュックを抱いて、汗びしょ。
なんだか、涙が出てきてしまいました。
この酷暑の中、よく生きて帰ってきましたね。
すぐシャワーをさせて、二つ大きなリュックは、全部汗で濡れた服か、洗濯してまだ乾いてない服か、
それと、全てのものに、砂と匂いが!
お風呂場で、全てのものを手洗いして、洗っても洗っても、まだ砂が付いて。また洗って、それから洗濯機へ。
靴も帽子も、リュックまで、全部洗いました。
腰が痛くなるまで。
三つ大きいなハンガーが満杯になり、外に干しました。
やれやれ。
「K君、熱中症とケガで、大変でしたね」
「うん。でも、そうなると思ったよ。何というかな、K君、体力があまりないのと、ちょっとメンタルが弱いほうだから、あの運動量、向いてないじゃないかな。
あの日、内容を聞いた途端、K君、もう顔色が悪くなって。こりゃダメだなと思ったけど、でも普段からコーチは、具合悪くなったら、自分から言うように、人を頼らない、自分の体は自分で守るって、よく言ってたから、ぼくも言わなかった。で、K君、自分でコーチに言った。
K君って、部活の選択、間違えたじゃないかな。スポーツって、体力はもちろん、メンタルも大事だよ。身体能力とメンタル、どっちか弱いと、向いてないからさ」
お洗濯を干してから、ふみに夕飯の、鶏肉の照り焼きを作りました。
合宿中のお食事は、美味しかったとふみが。
海辺だから、お魚やイカなどを頂きました。
毎日海に入りました。
「ちょっと深いところまで泳いで行って、波が来ると、めちゃ楽しい」だそうです。
今日も熱中症で死者が出てました。
ふみは無事に生きていて、なによりです。