立冬




いつのまにか、山茶花が咲いて、
いつのまにか、街ではもうクリスマス一色に。


天候不順でも、災害でも、植物や生き物たち、関係ない顔をして、やるべきことをやるだけです。

そんな人もいました。
K選手です。

ずっとK選手のことを、“ただもん”じゃないと思うわたしでございました。

Kさんの師であるS会長さんは、謙虚に「Kは不器用だからね、地味だし」と。

いやいや、K選手は、我々と同じ次元にいる人間ではないです、「神さまかしら」と言ったら、
S会長、笑っていらっしゃいました。

K選手、地味に、足音も立てずに、いつのまにか、7連勝、いつのまにか、日本ランカーになり、いつのまにか、ミドル級の二位になりました。

K選手、相変わらずに、謙虚で、控えめで、礼儀正しくて、素朴な味がなんとも言えないです。

彼と対戦した選手、ほぼ全員彼を讃えます。「Kさんの人柄にも負けた」と。

Kさんのことが嫌いな人、いるかしら、いないと思うわ。どうしたらこんな素直な立派な人間になれるのでしょう。


そして今晩、Kさんは、激闘のすえ、ランカー一位になりました!

来年、タイトル戦が待っています。



この前、Kさんに「試合前は、やはり緊張なさいますか?」

「あ、緊張、う…ん、緊張というより、ワクワクしますね、はい」とKさんははにかみながら。