蝉が鳴いた

今朝、ふみと暑い中、保育園へ向かいます。
“保育園行きたくない症状”が出てきてるように見えて、私はふみに話しかけた。
「ふみ、歌、うたおうか。」
「…」
「線路は続く〜よ〜」
「ママ歌わないで、やめて。はじかしい」
「えっ!恥ずかしいって、そんな…」
別に大きい声でもないし、耳障りになる音質でもないですよ。
こう見えても、ママは一応、中学から、しょっちゅう全校大会の時に、みんなの前で歌ったりして来たのよ。言っとくけど、ママの学校は中学高校一貫の多人数の学校で、町でも進学率一位の人材に溢れてる学校ですよ、聞いてるの?


保育園で、沈痛な表情のふみとお別れして、人混みの中でしばらく歩いたら、蝉の鳴き声が耳に入りました。
今年初めてです。
蝉の命は短いそうですね。彼ら自分の宿命を知ってるのかしら。それとも無意識に生きてる、頑張ってるだけなんでしょうか。

一日の暑さのピークが過ぎて、夕方に近くなった時、また保育園へふみのお迎えです。


ふみ、上機嫌に仮園舎の広々した廊下で走り回ってました。

いつもクールなU君が来て、「なに?それ」と私の手を指差した。
ははは、UVカットの手袋、今日は指先を出すタイプだから、U君ケガしてるとも思ってたかな。
「U君、バイバイ」
「ばいっこ」
ばいっこ?また新しい挨拶だね。


玄関で、ふみがサンダルを履く間、急いで連絡帳を読みました。「今日は、水遊びをしました…」。
なるほど、ふみの上機嫌の理由が解明しました。


何日か前から、ふみと一緒に《トトロ》の絵本を読んでます。中に出てくる“おはぎ”という食べ物に、ふみは非常に気になるようです。
「おはじ、なぁに?」
「おはぎは食べ物、和菓子」
「ふみも食べたい」
考えると、ふみまだおはぎを食べたことないものね。

近所の和菓子屋さんに尋ねたら、13日お盆入りから販売するそうです。

「ふみ、おはぎ買いに行こうか」
「おてて洗わない!」

なに先読みしてるんですか?(^o^)

毎日うちに入った途端、ふみに手を洗わせるのが一つの戦いであります。


薬屋さんを通って、ふみ私の手を離して
「カエルしゃん抱っこ」と店の前の蛙のマスコットを抱きついた。
その激情が収まるの待つしかないのです。


中敷きが畳素材のスリッパを売ってるお店に、ふみは頭を突っ込んで
「あ〜オシッコの匂いがする」
どれどれ?本当だ、言われてみれば…感心する場合かっ!
慌てて手でふみの口を塞いで、お店から連行した。


今度は、「あ〜地下鉄の匂いする〜」
「地下鉄?!」
耳を澄ませば、確かに地面の地下鉄の換気用の鉄の柵から、走り去ってゆく電車の音が聞こえる。
車輪とレールが摩擦する独特のにおいなんでしょうか。
町って、いろんな匂いがしますね。
オトナの鼻はもうマヒしてしまったのかしらね。


「ママそれは?」
「あれ?あれはね…ショベルカーよショベルカー」
「違う。ラフテレーンクレーン」
「ら、らふ?」
なんだそりや。しかしふみは毎日工事現場の絵本の研究して、結構成果あったんですね。


ママは、ショベルカー以外は、やっとコンクリートミキサー車の認識できたのに、またラフテレーンクレーン車の登場ですか

(∋_∈)


おはぎは、ふみ1グラムぐらいだけ口に入れたのかな。
「嫌だ、食べない」との始末でした。

ふみはずっと甘い物にあまり興味ないですよね。将来は酒のみかしらね。