怪獣の運命

今日は四谷消防署の署舎一般公開の日です。年に何回かやるんだ。

前回はまだ寒い時期でした。ふみもまだもう少し小さかったのです。
いくら好きな消防車でも、いざ本物の前に立ったら、圧倒されて、ただ涙をぼろぼろ(なさけない〜)


ようやくなんとか消防服に着替えして、「おじしゃん」(現役の消防士)に抱っこされ消防車に乗ったら、写真を撮るにも間に合わず、ふみはしくしくして、「おりる」と訴える始末でした。


その後、我が家の「替え歌王」ふみは、その時のことを堂々と替え歌で歌ってます。
曲は「かわいい かくれんぼ」。

ふみちゃんはね
消防車に乗ったらおりるといったもんね
どんなにおじさんが抱っこしても

聞いてて、爆笑しながら、感心しました。
そうだ、かっこ悪いことは、こうやって堂々とネタにすれば済むことですね。


「ふみ、消防署に行く?今日は消防車さわれるよ、本物の」
ふみは目をキラキラさせて「イヤだ、行かない!」と、いつものパターンでした。まだ自己主張による“反抗期”から抜け出していないんだ。



東京は今日で連続十日間真夏日です。ふみも暑さに少し慣れてきたようです。
荷物を持つのがイヤなふみが、珍しく昨日買った怪獣を連れて外へ。


しかしふみは怪獣さんに対して少しも尊敬や気使うことなどがなく、気軽く怪獣の尻尾を握って、手をぶらぶらさせて闊歩する。
怪獣の威厳もどこか飛んでしまい、頭を下に向いて、成り行きに任せる状態です。



祭日のため、消防署は子供たちが賑わって混んでいました。
蒸し暑い中、ふみは消防服を着て、ヘルメットまで被り、ホースを持って、消防車の前で写真を撮らせてくれました。

暑いせいか、ふみは笑顔がなく、いかにも耐えてるので、出来上がった正面写真に、タイトルをつけるなら
「哀愁が漂う消防士」ですね。


昼ごはんの時間です。
「冷たいおそば食べたい」とふみのシブイ注文に従い、駅前の蕎麦屋に入りました。
ふみは冷たいぶっかけそばをおいしそうに食べてました。


途中急に
「怪獣しゃん、食べる?」と聞き出すふみに、
「怪獣さんはおそば好きじゃないから、ふみ自分で食べて」と答えたら、
「怪獣しゃん、見てて」とふみは、怪獣を隣の台の上に座らせ、
また「おいしいね」と食べ続けていたけど、怪獣の不気味な目に見つめられ、少々不自然なママでした。


台の上に置いたおかげで、帰りに怪獣を忘れ物にしてしまいました。


お昼寝から起きて、ふみやっと怪獣がいないと気付き、でも別に焦ることもなく、ケロッとしてました。
「ふみ、きっとお蕎麦屋さんだよ、探しにいこうか」
「うん」ふみは、やっぱり別にどっちでもいいという感じでした。


案の定あのお蕎麦屋さんにありました。
ふみは店員さんから平然とした顔で怪獣をもらって、午前と同じく尻尾を握って、たまに振りまわしたりもして、闊歩する。


あの怪獣は、テレサテン、?、いやいや、テレサテンじゃなくて、テレスドンを、調べたら、一応、地上を破壊しようとした強いヤツらしい、ならもう少し敬遠というか、気遣ったらどうなんだ、ふみ。