東京日和

子供って、いろんなことに対して慣れるのが速いなぁって、最近はつくづくそう感じる。大人より遥かにたくましい。


過ぎた時間への未練はなく、将来への妄想もない、“今”を楽しんでるだけの子供たちから、一種の計り知れない強さが溢れてくる。


その力に押され、二、三歩下がって、改めてその小さい姿を見つめながら、自分の弱さを知ることもある。


来るものを拒まず
去るものを追わず。

人間はいろんな寄り道をして、結局この原点に戻るのでしょう。



夏になると、映画「東京日和」を見たくなる。
レ−ザーディスクも、DVDも持っている。
あとは脚本も、映画のパンフレットも、写真集も。荒木の原作本も。


どうしてこんなにこの映画が好きなのか、私もはっきりと言えない。
どこが気に入ったのかも。

映画に出てくる東京の場所も、ほとんど行った。
東京駅の丸の内口で写真を撮った、レストラン「バラ」で食事をした、お茶の水駅を下がって、レンガの橋にそって歩き、神保町の喫茶店「さぼーる」でコーヒを飲み、谷中のあの“幽霊階段”まで…。
本当にハマったのね。
映画の東京はこんなにきれいなんだ。チャラチャラもしてなくて、やかましくなくて、こんなにもいい町なんだ。


最後に島津とヨーコが行った柳川、いつかぜひ行きたいな。


映画の音楽を担当した大貫妙子サウンドトラックCDも買った。今でも時々聞いてる。


この映画の何がよかったのか、今でもうまく言葉で言えない自分がいる。
こうなふうに、自分が自分のことがよくわからない時がある。


終日の雷雨、外がやっと静かになって、今日も明日も、東京日和。