風の味
クリスマス、過ぎてしまった。
イブに、ケーキを食べてから、三人で和田倉公園にふみの大好きな噴水を見に行きました。
写真を撮ってもらいませんかと男女に頼まれ、ハイ、喜んで。
携帯画面の中の幸せそうなお二人の顔を背景の並木イルミネーションに嵌め、シャッターを押す。
しかし今の携帯カメラって、デジカメに少しも負けない高機能ね。
さんざん見て、帰ろうとした時、ふみは、
「警備員しゃん〜、水もったいないから、もう止めてくだしゃい〜」と。
(^◇^)!!
自分が充分楽しんだからって、エコ思いを装うなんて、吹き出しそうになった。
その日ふみが眠ってから、パパはクリスマスプレゼントを用意して、ふみの枕元においた。
翌朝、起きたふみが大きなカラフルな袋を開けると、念願の、ぐるぐる回るハンドル付きの大きいゴミ収集車が出てきた。
「シャンタしゃん来たね。ふみ見えたよ、窓から出て行った」など、ふみの口は止まらなかった。
保育園に着いた途端、「ふみうちにシャンタが来たよ、プレゼント持って来たよ」と興奮気味に言って、すると他の子も、「うちにも来たよ…」
生まれて初めてクリスマスって本当にいいなって思った。
ふみのおかげ。
クリスマスが過ぎ、天気一転真冬になった。
寒波が訪れ、1℃〜9℃。
登園道、「ふみ寒くない?」
「寒くないよ」
「風強いね」
「ふみちゃん風食べたよ」
「風を食べたの?すごいね。風は何味するの?」
「草の味!」
なるほど、なんとなくわかるわ。