隠したって…

こっちの、改装が済んだ保育園に戻ってきて一週間になります。
家から歩いて5分ちょっとのところで、だいぶ楽になりましたけれど、毎朝ふみと手を繋いで歩いてたあの道は、もう日課にならないなと思って、少しセンチメンタルになっているのは、わたしだけみたいです。
ふみからは、もう仮園舎の話題すらでないわ。

来るものを拒まず、去るものを追わず。見事ですね。



いつからか、はっきりと覚えていないですけど、ふみはほぼ朝ごはんを食べてからすぐ、うんちをするのです。
親として、とってもほっとさせられるよい習慣だと感じます。


今朝、ふみはいつものようにご飯を食べてうんちして、今日は保育園がないからと本人もわかってるから、さっそくヘルメットを被り、卓の上に立ち、“車”の誘導を始めっています。

「はい、こっちこっち、オーライオーライ」と言っているふみは、急に静かになっています。
見てみたら、ふみは、無表情にこっちを見ています。

無表情だけど、なにかを堪えているようすも、かすかに見えるのです。

「ふみ、うんちしたいじゃないの?我慢しちゃだめよ」

ふみは、しばらく黙ったまましてから、急に釈然とした顔になって、
「んん、しないよ。もう隠したの」と笑顔で答えました。


隠した?引っ込めたってこと?
「だめだめ、早くして」

うんちしました。


しかし、隠したって、はははは、とてもよく通じる表現ですけどね。



夕べからの強風と雨、今朝も続いてました。風はだんだん弱くなってきているけど、雨はなかなかしつこいのであります。


外出しないでふみはうちの中で遊びます。


絵本を見たり、車や電車を研究したり、最後は珍しくぬいぐるみをとりだしたのです。
赤い金魚と亀。

「ねね、カメさん、お名前は何で言うの?」と私は金魚の口調で言いましたら、
亀を持っているふみは少し考えてから、
「かめしゃまでし」と。

?!ダジャレ?(^o^;)


走ったり、ジャンプしたり、両手をベッドで支えて、足を壁に沿って、逆立ちのようにやっていたり、ふみは部屋の中でも、汗ばんできました。
信じられないほど。寒いのに今日も。



雨は止まないが、洗濯しなくてはならないから、部屋干ししかないです。
ハンガーをドアのところに引っ掛けた途端、ふみは、
「あ、かわった」との一言を。


ちょっとびっくりでした。
確かに新しいハンガーです。
ハンガーはベランダーに置くと、紫外線に浴びられて、ボロボロになっていくのが、とても速いのです。新しいハンガーは青で、前のは緑でした。


でもハンガーは、ほんとんどベランダーに掛けっ放しですけどね、いつの間にかふみは見て、しかも覚えたのでしょうね。



雨ですけど、ふみを連れて皮膚科に行かないと。

二、三ヶ月前から、ふみのお腹や背中に、小さい水膨れのようなできものができたのです。

ほっとけば自然に消えるかと思ったけれど、消えるところか、ちょっと増えてきた気がして。

ふみは、皮膚科に行くと聞いて、別に抵抗もなく、いつものように、
「注射しない?薬は飲む?」と聞くだけで、素直に着替えをしようとします。
ちなみに注射は嫌いですが、お薬を飲むのが、ふみは大好きです。


「ママ、コートは要らない、ジャンバーでいい。」とのふみの指示に従って、フート付きのジャンバーにしました。
「ママ、雨だから長靴じゃないとね」と言って、ふみは自分で長靴を取り出したのです。
「あれ?ママ、靴下があるよ」と、ふみは長靴の片方から靴下の片方を取り出した。


これこれ、ずっと探してたよ。どこに行ったのかと不思議で、こんなところだったのか。



雨の中、ふみと手を繋いで駅前の皮膚科に向かいます。


坂道に、落ち葉がありました。
「ママ、この葉っぱ怖いね、大きい虫みたい」
確かに。
「ママ、ふみちゃんこの葉っぱ欲しい、持ちたい」と、ふみは葉っぱ一枚を拾いました。


「ママ、この葉っぱのママなに言う?」
ーー最近ふみはよくこうやって想定会話の求めるのです。


あの人あれを見たらどういう?とか、あの運転手の名前はなに?ふみのこと、なにいう?とか。

ものすごくこっちの即回答力が鍛えられる気がします。


蛙に、握っている葉っぱを食べさせるふみ。

「ママ見て、葉っぱ食べたら、かえるしゃん緑になった」
とふみは蛙の体の苔の部分に指さして言います。

まさか、いつかこれを野菜嫌いの言い訳にしたりしないんだろうね。なんかそうな可能性ありますね。

わかばたい焼き屋さん、さすが雨でも相変わらずの行列です。



「ふみ、その葉っぱは病院まで持っていけないからね」
「わかった」とあたり見渡すふみは、バス停の椅子を選んで置きました。


でもやっぱり心配みたいで、「誰にも取られない?」と何回も聞いてきました。

取られないわよ、(葉っぱなんて)




皮膚科で順番待ちの時、ふみはずっと大通りの車のワイパーを楽しんでました。

ふみのお腹と背中のできものは、水いぼでした。
お肌が乾燥してると、子供にできやすいものだそうです。

やっぱりオトナも子供も、お肌が乾燥しているといいことがないですね。

液体窒素で焼くという処置をしてくれました。
ふみは全く泣きもせず、じーっとその処置を見ていました。

先生は驚いたようで、ずっとふみを褒めていました。
「や〜こういう子は滅多にいないですよ」って何回も言い、本当らしいです。

出てきてふみに、痛くなかったの?と聞いたら、
「痛くないよ、面白かった」とふみが。



洗剤を買って帰ろうと思ってドラッグストアーに入りました。
ふみはなぜか積極的に洗剤コーナで真剣に洗剤を選び始めたのです。

緑っぽいの箱の粉洗剤を、抱えてこっちに来て、
「ママ、これがいいよ、これにして」

なんで?
「まだ寒いから今は液体洗剤を使っているから、これはいいよ、戻してね」。
重そうだし、早く元に戻してよ。

ふみは素直に洗剤を抱えて戻してくれました。
けど、何秒も経たないうちにまたその洗剤を抱えてきて、
「これにしてママ。これがいいよ、だってしゃ、これはぁ、うん、これはぁ、とてもいいから…」、下手なセールスマンのようなふみは、重そうな箱を抱えて、一生懸命商品の良さを探しています。


「わかったわかった、でも重いよこれ」
「ふみちゃんが持つから」
(させるわけないでしょう。重いし雨だし)


ふみの熱意(しつこさ?)に負け、
「わかった、買いますから」
(@_@;)


ふみは微笑んでその洗剤を抱えてレジまで運びました

ああ〜なんでこんなことになるの?雨の中こんな重いのを…


「ママみて、これ、パパのと同じ」、ふみ一つひげ剃りのフォームをゆびさして見せます。
そういえばそうのような…、しかしふみはよくいろんなものを見て覚えてますね。




最近ふみよく、
「腰がいたいから」とのセリフをなにかの言い訳に使います。
腰が痛いと私がよく口にするのだからでしょうね。

子供って、ある意味で親の鏡ですね。

小さい頃、私たちこどもが腰痛いと言うと、きまって大人に、「こどもには腰なんかない!」としかられます。親でも先生でもそういってたのを覚えてます。
おもしろいです。