仰向きの蝶々

今日は水上温泉へ行ってきます。
ふみには、昨日まで話してません。
というのは、話すと、また興奮してしまい、なかなか収まらないのを心配なんだから。
こどもって、そういう生き物ですもの。


今朝、お着替えなどを旅行カバンに入れるのを見て、ふみは、
「ママ、みなかみ温泉に行くの?三人で?行くでしょう」と。


少し前に、パパが話したらしいです。ふみはずっと覚えて、しかも水上行きの特急列車の名前も覚えて、電車の絵本の中に載っているその写真をよく眺めていたようです。


温泉ね〜 久しぶりね。だって前回行った時は、まだコートを着ている時期だったんじゃないかしら。今は入梅直前の半袖の格好ですから。



昨日の朝の保育園、中庭で育てられている茄子やキュウリ、トマト、ひまわりなどのお野菜やお花を眺めていると、Sちゃんが、「ね、見て見て、蝶々だよ」と叫んでいました。

見てみたら、本当だ。黒い大きい蝶々が、仰向きになって、あまり動かなくなっている。

「先生、先生!」と子供たちは大事件が発生したように大声で先生を呼ぶ。


先生が来て、「そうなのよ、さきからそうなの。もうダメかもしれないね」と言って、その蝶々を拾って葉っぱに乗せたが、すぐ、蝶々はまた下に落ちてしまい、仰向きになっている。


もうダメかもしれないね。
蝶々は、子ども達の視線の中で、ゆっくりと何回か羽ばたいて、とうとう動かなくなってしまいました。



一昨日の新聞記事です。

上の写真と下の写真は、同じ場所の同じ角度で撮ったものです。
違うのは、時代です。

歳月は、こんなにも、一つ町の風情を、ここまで奪うのとは。
いや、それを奪ったのは、人間と言ったほうが。