フランスの缶

パパが、ふみにシンケンジャーの絵が書いてるバンドエイドを買った。
するとふみは連日あっちこっち痛くなる。
足だったり、手だったり、昨日は、指痛いと言い出して、けどその“痛い”は、右手だったり、左手だったり、とうとう本人もわけわからなくなってきた。

今日も、帰って来たらすぐ足と腕の痛みを訴え、シンケンジャーのバンドエイドを貼ってもらったら、「シンケンジャーパワーだ」と、勲章を授章の気分。


昨日お迎えに行く時、同じ組のR君が、K君に噛まれたと、R君のママが涙目でR君の傷をわたしに見せてくれた。

太ももに、紫色の大きい歯形が、凄まじい。


先生は一生懸命R君のママに謝ってる、「申し訳ないです、私たち、もっとちゃんと見てればこんなことにならないのですが…」

R君のママは、K君の保護者が来るの待ってるようだった。

R君は黙ってママのそばに座って下に向いてた。


ふみの手を繋いで保育園をあとにした。

ふみもお友達に噛まれたり、抓ったりされたことが何度もあった。

その都度先生に謝られてたが、わたしは、ふみさえもう平気なようだったら、別にいいんだ。


ただ、何度でも、「お友達に噛まれたら、とにかく大きい声を出すのよ、大きい声を出して、それだけ。ふみちゃんは絶対にお友達を噛んだらダメよ」とふみに言い聞かせてました。

ふみはそのたびに「うん!わかった」と言うけど、やっぱりわたしは心配。
やられるのもやるのも、どっちもないように願う。


ふみを観察したら、お友達に噛まれたり抓られた時は、親に慰めてもらい、愚痴を聞いてもらうのは間違いないだが、あまりそのお友達や親に言ってほしくないような雰囲気。


自分の小さい頃を思い出してみると、やっぱりそうだね。


見守る、見守る、見守る。


「ママ、今日ね、ふみちゃんね、HちゃんとT君と一緒に、先生のお手伝いしたよ、ドジョウの水を換えたよ」

「あら、すごいね、そのドジョウ、ふみちゃんたちに、ありがとうって言ってたでしょう」

「ママ、ドジョウ、しゃべれないよ」

「…そっか、しゃべれないよねドジョウは」(そんなにまじめに考えなくだって)

「今日ね、N先生はずっと事務室にいて、こないの、ふみちゃんとHちゃんね、何回も事務室に行って、N先生〜まだぁ〜って呼びに行くの、N先生は、あなたたち部屋に戻りなさい!って言うの、今度、ふみちゃんHちゃんD君T君、みんな事務室に行って、N先生を睨み付けに行ったの…」

「睨み付けに…」(いつの間にかこの言葉を…)


「ふみ、R君治った?昨日噛まれたところ」
「見てない」
「えぇ〜R君、大丈夫?まだ痛い?と聞けばいいのに」
「だって、ふみちゃん今日忙しいんだから」


ふみたち、まだ人のことまで気配りすることができないでしょうね。



今日、午後のお茶の時間に、フランスのお菓子が出ました。
フランスから持って帰ってきたばかりのもの。

わたしは大喜び!お菓子にではなく、その缶に。
さっそく中身を移して、缶を持って帰った。

わたしは缶が好き、だけど、缶ならなんでも好きじゃないよ、きれいな缶、特にレトロ風な缶が好きで集めてる。
30年代のカレンダー美人図案のとか。



今日は爽やかな秋晴れでした。