違うウイルス

雨は結局、朝の9時ぐらいまで降っていて、通勤時間にやむとの予報を信じて、保育園のしたくをして、ふみと、雨が上がるのを待つことにした。


ふみは、ずっと昨日テレビで見た大相撲のことなどしゃべってる。
山本山が、大きいのに、また負けたよ、山本山のお腹、ぶつぶつがいっぱいできてるね」
いやなこと言うね。


知り合いの方に大相撲を観に、両国国技館に一度連れて下さって以来、ふみは大相撲にとても興味を持つようになった。
その時は、まだ小さいから意味全然わからないと思ったけどね。

その時にもらった力士のパンフレットを、今でも時々取り出して研究するふみです。

昨日は、「ママ、僕、剣道やらないで大きくなったら、お相撲さんになるぅ」とふみは急に言い出したので、

「いいよ、毎日お野菜のいっぱい入ってるチャンコ鍋を何杯も食べなくちゃならないよ、頑張ってね。白菜とか人参とか、丸ごと入ってるから、全部きれいに食べないとだめなの。あと白いご飯も、大盛りで何杯も何杯も、いやだ、食べたくないと言っちゃダメよ…」

ふみはしばらく黙って、「お相撲さん、やめる」と。

チャンコ鍋、ごめんなさ〜い


雨が上がり、予報が珍しく当たった。ふみと登園へ。
玄関で、しゃがんで、ふみの衿を正しながら、「ふみ、ママ、ふみちゃんのことが大好きだから」
「うん、わかった。でもね、×××公園でね、また新しいクモの巣ができたよ」

ガクっ。




日曜から、目が充血して、目やにも出て、さほど気にしなかったが、それがどんどんひどくなり、のどが腫れてもないのに、血の付いてる痰がでる。

ふみを保育園に入れてから、眼科に行くことにした。

眼科に入った途端、あら、Sちゃん父娘じゃないですか。
Sちゃんがわたしのところに来て、わたしの手を掴んで、
(あっ、手は触らないほうがいいわ、目の病気だから、Sちゃんに移っちゃいけないわ。でも手をひくとSちゃんは理解できないから、傷つくんじゃないかな。まあ、手はアルコール消毒したし、目をふれてないし、…)
「ね、ふみ君のママ、Sちゃんがね、こっちのおめめがね、メヤニがでてね、ママがね、ティッシュで拭いてくれたの。そのティッシュをね、すぐ捨てたの。」
「そう〜」
「あのね、ふみ君は?もう保育園?」



まもなくSちゃんが呼ばれ、Sちゃんは一人入って、上手にお医者さんの指示に従ってた。


わたしの番。眼科の女医はわたしの目を見た途端、
「あ、これはあれね、うん、たぶん。うん、そうだろう」と、下のまぶたを捲って、綿棒で10回ほど擦った、わりと力強く。


10分待って、結果が出ました。
先生の“あれ”が的中、アデノウイルスです。

冬期に流行るウイルスで、何種類の型があって、扁桃腺炎を起こしたり、インフルエンザのような症状を起こしたり、嘔吐、下痢になったり、中の8型は、目に行くタイプらしい。

アデノウイルスは抗生剤が効かないので、厄介です。でも治療しなくても、いずれ自然に治るものだそうです。ただいろんな併発症状がでるので、ちょっとこわい。


子供がなった場合、登校禁止となることに。

二種類の点眼薬をもらった。手を頻繁に石鹸で洗うこと、同じタオル同じ洗面器を使わないことなどなど、ただ洗濯物は一緒に洗って構わないと。洗剤で洗えば落とされるから。


ひゃ〜
空気中、年中その時期なりのウイルスが流行ってる、免疫力の低いわたしは、その都度それらをもらってきて、苦労します。なんとかならないとイカン!わたし。体力上昇しないと!

かかってる中国人の気功の先生に、薬に頼らないで、自分の体力免疫力を高めないと始まらないんだと、ずっと言われております。
その通りでございます。はい。


あ〜、早く治ってほしいな。目の具合が悪いと、うっとうしいわ。
微熱も。我慢しかないわ、このウイルスに効く抗生剤がないから。

ふみをお迎えに行く前に、うちの玄関のアルコールジェルで手を消毒し、保育園の玄関でまた同じことを。


Sちゃんはわたしを見て走ってきた、「ふみ君のママ、Sちゃんの目も治ったよ。お薬やってね、めやにもうないの」

それはよかった〜


帰り道で「ふみ、ママ今日眼科で誰に会ったと思う?」とふみに言ったら、
「Sちゃん」とふみは即回答。
「なんで?なんでふみが知ってるの?」
「今日Sちゃん言ったから」
「どういうふうに?」
「ふみ君のママに会ったよ」
「それだけ?」
「それだけ」
「ふみ君のママはメガネをかけてたと言わなかった?」
「言わない」



あ〜、世の中で新型でも充分騒がしいのに、わたしは違うウイルスにやられてる。忙しい忙しい。


下園の道ではしゃいでるふみ。

すっかり暮れてる時だけど、新しい携帯電話のカメラは、まるで白昼のように撮れている。