七草粥


風は一晩中ビュービュー吹いて、明け方から、雪がちらついてきて、朝食の時、もう吹雪になりました。



あっという間、道路も階段も山も白く染められて、露天風呂からその銀色の世界に魅入られたわたしです。


雪が舞い込んできて、頬に触れ温泉に触れ、すぐ消えてしまう。
肌から湯気を立てながら、わたしは空を仰ぎ見る。

小さい頃は、よくこうやって空から舞い降りる雪を仰ぎ見てました。

中国語の“雪花”という言葉が好きです、一片一片の雪が、花と呼ばれるなんて、自然に親しく、ステキな表現だといつも思う。
内陸に行くと、太陽のことを“陽婆”と呼んだりするのと同じく、
人間は自然の一部との考えが好きなんです。

吹雪は、やんだり、またすぐ勢いよく吹き出したり、向こうの山が見えたり、真っ白にしか見えなかったり。


夏は海へ、冬は山へ、よろしいよろしい。



ふみは口を開けて、雪を受け止めて食べようと、走り回る。

「おいしい?雪は」とふみに聞くと、
「うん!おいしい、おいしいよ」とふみは幸せそうな顔で答える。


宿の朝食で、七草粥を頂いた。
お正月、これで過ぎてしまいましたね。

お正月、やっぱりいいな、ふみのおかげで、わたしも素直にお正月が待ち遠しくなって、お正月を楽しく過ごし、お正月が過ぎて、さびしくなりました。