野生動物園


夕べは大型花火が、たくさんたくさん、長い時間、打ち上げられてた。

場所はわりと近いみたいで、音は聞こえる。見には行かなかったが、広州テレビで中継でやっていた。
しかし中国のテレビのチャンネル数の多いこと。
リモコンの数字ボタンは飾りだけのようなもの。というのは、チャンネル数は一桁じゃ全然足りず、何十個もあるから、+か−を押して選ぶしかない。
さっきのちょっと気になる番組を見ようと、探すのが一苦労。




晦日の夜、ご飯を食べに行った時、道端のお店が夜でもほとんど開いてるのが少々驚き。
晦日なのに、洋服屋さんは別に夜まで開いてなくてもいいのにって思ったりして、それほど景気がいいってことね。中国は。


日本は不景気不景気といいながら、店が開くの遅いし、閉まるのも早い。やる気あるのかなと思う時しばしばある。

ちなみに、ここの普通の店はもちろん、デパートも9:30開店。どこ行っても便利。


昨日、戻ってきたら、部屋のテーブルに、砂糖橘(とっても甘い小さいみかん)や、カシューナッツや、キャンディーが、丸いお皿に置いてあった。
お掃除のあとの、ホテル側からの新年のお祝いなんだ。


食事をしにお店に入る時は、従業員がわたしたちに新年のお祝い言葉をかけ、金色紙に包まれてる丸い大きいチョコレートを配ってた。


広州は現代的な大都会でありながら、細かい心遣いも隅々に行き届いている。

いい街だ広州は。ふみもすっかりここを気に入って、「もう東京は帰らないで、ここで暮らそう」と言ってる。
この前、北京に行った時も北京で暮らそうと言ってたね。

自分は保育園に行かなくていい、親はお仕事しなくていい、毎日美味しいものを食べ、楽しいところに行って…
そういうところで、ふみは暮らしたい。
当たり前だわ。




今日は地下鉄に乗って、野生動物園へ。

広州の地下鉄、きれいですこと。東京の地下鉄とかわりないわ。


構内は広々として、コンビニなどの売店もあって、地下鉄の本数も多い。
北京の地下鉄は古くて、手荷物検査などで面倒だったけど、広州のは便利便利。



地下鉄に30分ほど乗って、無料送迎バスに3、4分乗って、「広州香江野生動物園」に着いた。


規模が大きい!


アジアの動物王国と呼ばれるここは、動物の種類も数も相当なものです。

「百虎山」で百頭の銀虎(真っ白)と白虎(白にとら模様)、パンダは10数頭。
すごいすごい。







ほかの野生動物も、路面バスに乗って、近くからいろいろ見た。



襲って来ないかなって心配したりして。


ふみ、随分大胆になったぁ―


少し前は、まだ臆病のところがあったけど、今は大胆すぎるわぁ―


大きなカラフルな金剛鸚哥と一緒に写真を撮らせてくれるところがあって、ふみ撮る?と聞いたら、迷わず撮る撮ると。



とっても大きい金剛鸚哥は、飼育係のおじさんから、餌のトウモロコシをもらってくわえて、ふみの肩に降ろされた。
怖くなって急に泣き出すんじゃないかと心配したところ、なんとふみ、手を伸ばしてそのトウモロコシの餌を取ろうとした。

飼育係は、素早くふみをとめた。
「ふみ、だめよ!鸚哥の餌を取ったら、鸚哥が怒ったら危ないから」
それを聞いたふみは、肩にいる巨大鸚哥を気にしながら(かなり重そうで)、片手でポケットから何かをえぐってる。

「何してるの?ふみ」

黙ってふみは、ポケットから小さいみかんを取り出した。
!?

ふみ、いつのまにかポケットにしまってるこの砂糖橘を、金剛鸚哥に餌としてあげようとしてる!

びっくりした。
もちろんそれも飼育係にとめられた。


赤ちゃん虎も抱っこさせてくれる。
ふみは小さい子なので、一人じゃ無理で、パパと一緒に行った。

いくら赤ちゃんでも虎は虎、暴れてるし、喉の奥から人を威嚇するように吠えてる。

ふみ、恐怖どころか、飼育係が見てないところで虎のしっぽを軽く引っ張ったりする。


あ〜この子、どうなるんだろうね。
どんどんわたしの手に追えないところに行ってるんだなと、一瞬ぼーっとするわたし。


キリンさんとの触れ合いの場所で、餌の葉っぱの付いた枝を持ってパパに抱っこされてるふみは、真上にまで首を下ろしてきたキリンの頭を素手で触ろうと…




姉の子と従兄の子とふみに、動物のお面で作った帽子を買おうと、それぞれ好きなのを選ばせた。


ふみはコアラは要らない、パンダは要らない、かわいい白虎は要らない、
選んだのは、リアルなライオンのだった。

ガオ―ガオ―ガオ―と、
ふみは爪を立てるような仕草でかかってくる。


似合ってる似合ってるとみんな口揃えて言う。


ふみ、はしゃぐはしゃぐ。

寒い中、ふみはちっとも寒くないと。
でしょうね、そこまではしゃいだら。


今日も霧雨が降ったりやんだり。薄暗くて寒い。


三人の風邪は、漢方薬のおかげで、一発で治った。


夕食は山西料理を。

食は広州にあり。いろんな地方の料理を頂いたが、やはり広州料理が美味しくて上品。

調味料でごまかしてなくて、素材の味を生かしながら、より美味しく料理している。


「ママ、あした帰るの?」とふみは心配そうに何回も聞く。


あさってよ、あさって。