かがみ


ふみが書いた“ふ”という字。
まあ、“ふ”と読めなくはないから、「じょうずじょうず」と褒めてやった。

夕方、ふみに字を練習しようと提案した、「ふみ、この前Sちゃんに聞かれたよ、ふみ君は字を書けるかって。“の”しか書けないよってママが教えた」

「あ〜めでたしめでたし」とふみが。

めでたしかな?自分の名前ぐらいを練習したらどうかしら。
以前も、だれだれがどうどう上手にできるよ、とふみに言った時、
「そういうの聞きたくない」と、ふみにきっぱりと言われたことがある。


自分と同じぐらいの子に比べられ、ダメだと言われ、
イヤなことでしょうね。わかる。わかるけど、ついつい。

これから気をつけないと。


ふみはお得意な“の”はいいし、それと“ふ”もいいけど、
“み”を書く時は、必ず子供の特有な右左逆の「鏡文字」となってしまう。
紙を持ち上げ、裏側から見れば、りっぱな“み”だ。

体をいくら動かしても疲れを知らずのふみは、ちょっと字の練習をしたせいか、今日はすんなり眠った。