新しいお友達
細い雨だが、ザーザーと降ってる。風がないから、ふみには傘を持たせた。
ふみは雨の中で、レインコートではなく傘だということに、とっても嬉しそう。
風で雨が斜めになる場合には、傘は使わせないことにしている。
保育園の玄関でU君のお母さんと会った。
「今週水曜日、柔道はないでしょう?」とU君のお母さんが。
「はい。祭日はあそこはお休みです」
「U君、やめたいって言ってるよ」傘を閉めながら、ふみは言う。
「そうなのよ、U、やめたいと言ったり、またやりたいと言ったり、うちでは、よく柔道のポーズをやって見せるけどね」
そうか、U君、あっさりやめるんではないんだ。
お部屋に入って、今日から毛布も使い始めるので、そのセットをしようとしてたら、「また…」と、後ろから男の子の声が、
振り向いたら、U君だ。「また、柔道に連れてってください」
「え?ほんとう?U君、また柔道やるんだ、えらい。よかったね。またふみ君と一緒に頑張ろうね」
U君はちょっと恥ずかしそうに笑う。
昼頃、陽ざしが急に窓から差し込んできた。
ひさしぶりだわ〜 お天道さまが顔を見せると、やっぱりほっとしますね。
明日、ふみたちのバス遠足、お天気になってよかった。
ふみ、おでこをぶつけて、それで厄払いになって、きっと楽しい遠足になれるんじゃないかしら。
連絡帳に、今日はふみの組に新しいS君というお友達が入り、ふみは真っ先にS君に声をかけ、一緒に遊んだ、ということが書いてあった。
人懐こいふみ君。