久しぶりに羊肉

「ママ、僕が辰年生まれだったらいいのにな」
「どうして?」
「だってかっこいいじゃん」
「ふみの酉年だってかっこいいよ、そうだ、東天紅の鳴き声、覚えてる?なが〜くて、東天紅、かっこういいよ」
「とうてんこう?お相撲さんの名前?」
「あははは、とうてんこう、確かに、しこ名っぽいね」
「あのね、稀勢の里はね…」
始まった、ふみの相撲ウンチクが。


ふみとスーパーの朝市にお買い物に行って、同じ組のH君と会った。
H君もふみも大喜び、H君がふみを連れて、すぐ近くのおばあちゃんのおうちに行った。H君のおばあちゃんのおうちは寿司屋なんだ。

ふみとH君、何回も走って出て来たり、また入ったりして、H君のママが二人にペロペロキャンディを一本ずつ買ってくれた。
H君のとふみ、自分のキャンディを舐めてから、お互いのキャンディを舐めて味見をして、嬉しそうに笑う。

この微笑ましい光景、わたしの子供の頃を思い出させた。

「ふみ、H君のおばあちゃんにちゃんとごあいさつした?」
「してない。だってAちゃんは眠ってるから、大きい声でしゃべれないから」AちゃんはH君の妹。
「H君のおじいちゃんはいました?」
「いなかった。H君のおじいちゃんの写真あった。大きいの。H君のおじいちゃんは、もう骨になってるよ」
「骨って、だめよその言い方、お亡くなりになったの?」
「だってH君がそう言ったもん」
そうか、だからあの寿司屋は、ちょっとさびた感じがするのね


夕方、一家三人は知人と一緒にモンゴル料理店でお食事を。

久しぶりに懐かしい味でした。

ふみは、すっかり知人の方に懐いて、「また会いたいな」と言って、まだ別れていないのに。


今日は結婚記念日なんだ。10年かぁー。
早いような、長いような。