岩手はいいな〜

今朝、ふみは6時にころっと起き上がって、黙々と着替え始める。


「ふみ、まだ早いよ」

ふみはまるで聞こえてないように、サンダルを履いて出ていった。

早いってば。

昨日みんな疲れたし、遅かったから、ゆっくり寝たいんよきっと。


夕べ、寝る前に、ふみは「やっぱり岩手はいいな〜」ってしみじみと言う。


来る前に、ある方がわたしに「ふみくんにとっていい経験だと思います。ふみくんなりにいろいろ感じて、いろいろ考えることがあるかもしれません」とその方は、被災地に行くことを、重く受け止めている。



わたしも少し心配はあったのだが。
わがふみ、地盤沈下で、海水が岸壁までひたひたにして、陸にかなり迫ってきている海を見た時、さすがに黙ってしまったのだが、

お祖父ちゃんお祖母ちゃん、おじ、おば、従兄弟、親戚、それにたくさんの虫さん、そしてわんこのコロちゃんと会って、その微かな戸惑いも即どこかに飛んでしまい、いつもとかわらない大はしゃぎの連続。
津波にやられた被災地の岩手沿岸部は、かわいそうでもなく、こわいでもなく、「岩手はやっぱりいいな」なんだ。




早起きのふみは、さっそくお祖父ちゃんと畑へ。



取らなくてもいいような量の人参を採って、帰路のふみは背中に喜びが満ちている。


みんなでおしゃべりしながら朝ごはんを食べて、親戚のうちを回ってはしゃぐふみ。

急に走って帰って来て、手の中の派手な虫をみせ、
「見てみて、今捕まえたの。ルリボシカミキリ」


瑠璃星カミキリ、名前通りの鮮やかな色でビックリです。


その後、おばさんとハトコとパパ、ママでお散歩。


コオロギを捕まえるわ、トンボ、ハサミ虫を捕まえるわ、バッタを捕まえるわ…。


それはそれは超楽しそうなふみくんだった。



夜みんな一緒の作業で、美味しく楽しく餃子を頂いた。