お寺・ 鹿 ・子供
夜中に、どしんとなって、それからガタガタとしばらく揺れてました。
高台にあるため、津波はこの古刹までは到達しませんでしたが、檀家さんの、3、40人の方が流されまして、未だにご遺体が発見されてないのも。
主人の従兄弟にあたる住職さんは、毎日忙しく、今日も法事にお出かけ、お会いできませんでした。
亡くなった子供たちの遺影が本堂に飾られまして、
大きく伸ばした写真たちは、七五三のでしょうか、笑顔の晴れ姿の何枚かありまして、
直視できませんでした。
そんなのと全く関係なく、ふみは子供たちと、境内の鐘楼堂に現れた鹿を追っかけたり、見たりして、騒いでました。
今日は小雨が降ったり止んだりの一日で、快適です。
歩いてたら、「しばらくです」と声を掛けられて、Kさんでした。
わたしのことを覚えて下さって。
おうちも、店も全部流されて、今は近くのアパートに住んでいるのです。
「うちのお父さんが走って逃げる時、後ろに波が来て、防潮堤を越えて、船が高い波の上に見えて、必死に高台に登って来たよ…」
津波で折れてしまった電柱。