儚い

Kさん、お亡くなりになった。

つい1週間前、主人と電話で話し、うちのエアコン工事のこと、気にかけて下さって。



ガンだとは、知ってた。
いつも黙ってお野菜をうちの前に置いて、
一回、帰ってきたふみが抱えきれないほどの野菜を抱えて、どうしたのと聞いたら、外でKさんと会って、ちょうどうちにお野菜を届けに行こうとして、だそうだ。


美味しいメロンもよくくれてた。田舎に持ってる土地で作ったものだそうだ。


お野菜をいただく度に、ふみは、「Kさん、メロンは?メロンもくださいね」

Kさん、笑って。

ふみは、「Kさんの畑って、ひろいの?」

「うん、結構ひろいよ」

「じゃ、虫いっぱいいる?」


「いるよ」

「ほんとう?じゃ、虫取りに行くね」

Kさん、笑って。


寡黙で優しい、素朴なKさん、とても東京の一等地でお店まで持ってると見えない。


「もっと野菜いっぱいあるけど、あまりちょくちょく持ってくるのも、ね、よくないから」とKさんはハニカミながら。



1 、2年前からか、痩せてきて、
聞いたら、お腹の手術した、と。


息子さんの話だと、それからは入退院の繰り返しで、先週、入院して、すぐ他界したという。


茨城訛りのKさん、今、どこでなにをしているのかな。


命って、脆いね。儚いね。