夏至
参観日の今日、蒸し暑い一日でした。
今年のふみの担任の先生は、去年、新採用の若い先生です。
素朴で人が良さそうな感じで、字は丁寧に書く先生です。
去年お会いした時よりは、だいぶ貫禄でてきたというか、余裕があるように見えます。国語の授業、子供たちは楽しそうでした。
算数は、ほかの組と一緒に、3つの教室に分けて、少人数でやることになってます。
それほど、3年生になると、算数はむずかしくなるんですね。
算数は今日、ふみのグループは、U先生です。
東京都の島に6年赴任して都内に戻ってきた先生です。
ふみ、聞いてるような、聞いていないような、おとなしくしてました。
聞いていないじゃないかしらね〜、そんな気がして。
それからは社会、地域探検の発表です。
クラスがいくつのグループに分かれ、学校の周辺地域のいくつかの場所を訪ねたようです。
取材してきた内容を、写真付きで大きい紙に張って、それを棒で指しながら、説明して、質問があるなら、答える、という形です。
出版社、駅、都のスポーツ施設、博物館、
ふみが行ったのは、ある有名なスニーカーメーカーです。
3つのグループの発表は、真面目で、緊張していて、声も小さかったです。
次の発表は、ふみたちのグループ、珍しく女子一人もなく、男の子4人でした。
4人の中、一人だけ寡黙な子で、残りは、ふみ、Rくん、Yくん、3人は、始まりから、賑やかでした。
声が大きくて、3人は奪い合うように喋り出し、今までの雰囲気をガラッと変えました。
紙と写真の説明は、主にふみでした。ちなみに写真は、全部写真係りのふみが撮ってきたものだそうだ。
「質問ありますか?はい、Dちゃん!」ふみは棒を振って、Dくんを指す。
「えっと、その青い靴の写真はなんですか」
「これ?これは一番の新製品」とふみが写真を指すと、
「まだできてない、いや、まだ売ってない、一番あたらしいの」とRくん、
「開発中」とYくん、
「それは、かっこいいですか」とDくんが。
「ややややや」ふみ、Yくん、Rくん、一斉に。
下は爆笑。
「あと質問ありますか?はい、Uくん」とふみ。
「その新製品はどこがいいですか」とUくん、
ふみ、Yくん、Rくん、3人は一瞬視線を合わせ、一斉に「わかりませんー」
下は爆笑。
「質問は?はい、Hちゃん!」
「あの、そこは全部で何人働いてるんですか」とHちゃん、
「えっ?」と3人が、
すぐ、ふみは大袈裟に指を折りながら、「ひとり、ふたり、さんにん、…」
下は爆笑。
「じゃ、靴は全部で何種類ですか」とHちゃん、
「えっ?」と3人が、
すぐ、ふみが指を折りながら、「ひとつ、ふたつ、みっつ…」
下は爆笑、爆笑してるのは、子供だけじゃなく、大人も、むしろ大人のほうが笑ってた。
質問は次から次、ふみたちの対応は、次から次と笑い声を誘う。
「あの、どんな検査受けたんですか」
「浮き指かどうかの検査、みんな浮き指だったよ」
「どうしたらいいですか」
「指でジャンケンだってぇ〜」
…
「どうやって検査したんですか?」
「あの、」とふみが、「台があって、足の親指を線に合わせて…」、
「親指じゃないよ、中指だよ、一番長い指」とRくん、
「そうかそうか、中指」とふみがいった途端、
「一番長いのは、あれは人差し指だよ」とYくん、
下は爆笑。
これは、発表なのかしら、コントだね。コン
ト。
…。
ふみ、こういう面もあるんだ、ちょっと意外でした。
人の前に何かやるのはいつも嫌がるのに。
次は音楽。
先生は、「リコーダーを出しましょう。あ、出すときに、“チャラン〜”とか、“ショキン〜”とかの効果音は要りませんからね」
すでに、ふみは「チョキーン」と言って、リコーダーをケースから取り出していました。
蒸し暑い今日は、夏至。