少年たち

5時に仕事が終わり、ふみのサックスレッスンに向かいます。


終わって、楽器の手入れをしているとき、Tくんという男の子が来て、「触ってみない?ノコギリクワガタだよ」と、
手に止まったクワガタを見せてくれて。
「ハサミに気を付けて、こんな太い枝も簡単に切れるから」

「危なくないの?」と聞いたら、

「ほら、指に何個も穴が空いてるでしょう」

危なくないじゃない!



ふみが「いいの?」と、

「いいよ」

ふみはクワガタを受け取って、手に腕に足に、クワガタは、飼い主じゃないとわかったのか、落ち着かなく足早いに徘徊。



「これは外産、スマトラ島かな、やはり国産のより大きいね。あ、ぼくの誕生日、パパがね、ウズラを誕生日プレゼントくれたんだよ、こんなちっちゃくて、ひなだけど、かわいいよ、うんちもちっちゃくて、びっくりするとすぐうんちしちゃう…」
Tくん、目尻下がって、本当に嬉しそうです。



帰りは、Tくんはクワガタをピアノレッスン用の手さげに入れて、
ふみとおしゃべりしながら、肩並べて歩きます。



クワガタを連れて出かけるなんて、初めてみます。


Tくんと別れて、ふみ「ママママ、ムシシャがあるんだよ、場所も教えてくれた、ぼく、絶対いくから、今年もクワガタを飼おうね」


あらあら。