初めての

終業式の今日、給食はないが、授業はあります。


帰って来るのは、1時前。

「終業式の日、いつも10時ぐらいに帰って来るんじゃなかった?」

「公立だって、今は勉強を大事にしてるのぉ」とふみが。

あらま。



一、二ヶ月前に、歌舞伎のチケットを買いました。


夏休みの親子のための、特別にとっても安いペアチケットです。

国立劇場で。


上演前、子供のために、歌舞伎の基本知識を実演しながら、教えました。

上手、下手、すっぽん、柝、後見、…。

たいへん勉強になりました。


そしてなにより、歌舞伎の素晴らしいこと。

柳を切られ、柳の精のお柳が、やむを得ず、我が子と生き別れ、形見の髑髏を旦那さんに預け、お柳の心情を、体のしなやかな動きと、ほろほろ落ちる柳の葉を通して、もう舞台との距離を忘れさせ、涙が止まらなくなりました。


わずか5歳の緑丸が、一人で母の霊が宿る柳の丸太を引っ張り、本当に見事なクライマックスでした。

ハンカチがこんなに濡れるのは、めったにないことです。


ふみもすっかり歌舞伎に魅了されて、また観たいと連発でした。



帰りは、歩いて。

ふみは、わたしのスマホで大相撲の中継を見ながら。

ふみの腕をつかんで、「歩きスマホはダメだからね、本当はダメよ」と。


うちの近くに着いたとき、Tくんに会いました。
走ってきて、手の中のウズラを見せてくれました。
「飛ぶから、離せないけど」と、愛おしそうにウズラを持っているTくん。確かにお父さんからの誕生日プレゼントでしたね、ウズラは。