ワニの化石
朝6時に起きて、支度して、7時半にふみとうちを出まして、一ヵ所の中学校説明会へ。
う…ん、昨日の学校、あまりにも素晴らしいですから、今日の学校、わたしには、一気に雲の上から落ちた気分です。
あんな素敵な学校、行くではありませんでしたね。難しくて入れないのに、わたしは完全に竜宮城から帰ってきた浦島太郎のよう、もう、竜宮城が忘れられません。
目の前の講壇の上の先生が「あれ?画面が変わらない、ぎょっ、あ、直った」
ぎょって…
講壇の上の生徒代表の女子が「…ちなみにわたしは今年の運動会は応援団でした、あまり練習してなくて、これはヤバイなって、ハハハ…」
ヤバイって…
頭の中で、巨大の水槽にひらひらと泳ぐ熱帯魚が過ぎる、耳には「わが校の教育理念は…」との温和な上品な声が過ぎる、
ダメだ、ダメダメ。
女子生徒の下ろしてセミロングの髪、明らかに夕べ念入りに巻いた前髪、
昨日の学校の女子生徒は、ほとんどおさげ、おさげに眼鏡、いかに素朴な、だけど目がキラキラしている女子生徒は、わたしには懐かしくて。
「わが校は、ワニの化石がある」と講壇の上に別の先生が。
そうですか、すごい、ですね。
わたしの頭の中は、昨日の学校の、ノーベル賞を受賞する科学者と歓談する生徒たちの映像、某医学大学の手術室で、学長先生の手術に立ち会う生徒たちの映像。
あ〜、ガラス張りの廊下に入ってきた日差しが柔らかくて、暖かくて、
洗面器のところのかわいい緑の鉢植え…
昨日、行くではなかったわ〜、“H校ロス”のわたし。
いいかげんに竜宮城を忘れて、いいかげんに目覚めないとね。