今夜


彼女は一つ溜め息を置いて
窓の外を通った


僕は彼女の横顔への記憶と、その溜め息を頼りにして
彼女を探す旅に出た


雨風が僕の顔を荒くさせ
噂を聞いた彼女は僕の目の前に現れた


僕は彼女にお礼を言って、
いいえいいえあなたは僕の探してる人じゃない


僕は、心の中のあの溜め息を一生探し続けるから、どうかこのままずっと現れないで


僕には、「探す」のが支えなんだ、僕それを酔い続ける