ひまわり

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今朝早く、ダメ元で開店前の花屋を覗いてみてたら、女性店員さんと目が合った、静かな笑みを交わして、ひまわり2輪を買った。

向日葵。

いつだったか、山の一面に咲くひまわりをみた。
あれは貧しい土地だった。貧しくてひまわりしか咲いてない土地だった。
風で波のような動きを見せて、果てしなく咲くひまわりたちを、知人はシャッターを連続に押した。
そばに立っている私は、圧倒され、写真一枚すら撮る余裕がなく、ただぼーっと目の前の黄色い世界を眺めてた。


ひまわりたちは、誰の手入れも受けてなく、誰にも気を留めてもらえず、ひたすら無欲に咲く。



太陽の形のしてるひまわりは、ただただ太陽を追っかける。
疲れを知らず、一日一日、短い夏が過ぎるまで。
そしてひまわりたちは萎れる。


ひまわり、君は幸せだったかい。
太陽、君はひまわりのこの気持ちを気づいたかい。


あの歌のように、“愛と呼ぶことさえできずに”、君も、君も、幸せだったのかい。