高尾山

今日まで夏休みなので、午前の早い時間に、京王線に乗って高尾山に行ってきました。
気軽に行ける登山コースとしてよく聞きますけど、高尾山は今回が初めてです。


駅から少し歩くと、登山ケーブルカーの乗り場です。
徒歩で登るなら90分だそうで、ふみが、もしいなければ、きっと私は登って行くのを選ぶのでしょう。


ケーブルカーの先頭の運転席のすぐそばに立ってました。

少しずつ現われてくる線路の急な勾配に驚きました。後半は直角に見えるほどで、気持ち悪くなってきます。
また妄想し始めたのです。
ーー目の前にパパに抱っこされているふみが、怖さ知らずに身を乗り出して窓から落ちていく妄想・ふみがぐるぐる深いところまで見えなくなる妄想・私は泣きもせず失神してしまう妄想…
これらの妄想に気持ち悪くなり、疲れてしまう。
ーーよくあることです。

小さい頃は、ちょっと遅く家に帰ると、母はいつもものすごく心配したようで、「だって、交通事故があったらどうしよう、悪い人にあったらどうしよう、具合が悪くなったら…」
半分怒っている母を見て、幼い自分は、なんで母親はいつもこう物事を悪く悪く考えるのでしょうと、不思議さえ感じたことでした。

今の自分は、ほぼ同じく、いいえ、もっとひどいかもしれない、心配を超え、妄想ですね。もう歳かな。


やっと自分を落ち着かせて、急な角度に慣れたところと思いきや、線路の下の土はいつの間にかなくなり、ただの木の板の橋が中ぶらりん、ケーブルカーがその上に走ってるではありませんか!
おわ〜

わずか6分の走る時間、すっかりくたびれてしまいました。


続けての山道。鉄の柵はあるものの、柵の外側は…、もう、見たくもない、私の手から脱出し、走り出すふみを見て、心臓が縮んだり、ダランと伸びたりして…。
もうダメだわ。もう帰る。高尾山、ごめんなさい。今度自分だけでくるわ、そうしたらゆっくり登るからね。



山門のところの鈴緒を、ふみと一緒に鳴らした。“カ〜ン”と鳴るたびに、ふみは「はんにゃしんぎょう〜」と言って、空いてる片手で拝むポーズをするのです。少林寺武僧のように。
そういえば昨日の旅館でもこのポーズをたびたび見せてくれたね。それはエレベーターの中でした。
エレベーターが到着の時の、“ディン〜”との音に、手をつないでるふみは、やっぱり片手で拝むしぐさをして「はんにゃしんぎょう〜」とにやにやしてやってました。こまったもんです。


慎重に、帰り道。
道端にアジサイが咲いてました。この季節にまたアジサイと会えるなんて、いくら緊張状態でも、シャッターを押す。

帰りのケーブルカーも先頭に座ってました(勘弁してぇ〜)
急な角度が、下りだとジェットコースターの気分です(勘弁してぇ〜!)


6分が経て、ケーブルカーから降り、昼食の時間なので、駅周辺の蕎麦屋に入りました。高尾山はとろろ蕎麦が有名だと聞きました。


とろろそば・おでん・玉子焼きを頼みました。ふみには、ざるそば。
しかしこの何日間、三人で蕎麦屋入るのは三回目ですね。蕎麦ばっかり。


蕎麦をいただいて、駅に向かっている時、大きいトンボが飛びまわっていました。
思わず身を避けた自分に苦笑してしまいます。小さい頃は平気で掴んだりしてたのにね。
今は…。まあでも、近づいて写真を撮る勇気ぐらいはあるわよ。


王様ぐらいのトンボじゃないかな。
小学校の同級生の「涼」という男の子、これに憧れて、捕まえようとして追っかけて、大学の二階の広いベランダまで行った。ベランダの柵に止まっているトンボが、もう少しで手に入りそうになった時、王様は飛び出した。無我夢中状態の涼君は、自分が高いところにいることをすっかり忘れ、一緒飛んだ。
幸い涼君は腕の骨の骨折だけで済んだとの出来事でした。


帰りの、高尾山始発の電車の中、乗客があまりいないと見て、ふみは裸足で座椅子に立って
「右よ〜し、左よ〜し、発車!まもなく、強羅、強羅でし」(強羅?箱根じゃないよ)

子供って、いつも完全燃焼ですね、体力温存なんかはしないです。
その通りにふみは、はしゃぎ果てて、腕に倒れて来て眠った。何回か頑張って瞼を開いたけど、睡魔には勝てなかったようです。


夕方は、ヘルメットを被って、三輪車の練習に再びの完全燃焼です。