眠ってくれない

今日も蒸し暑く、夏日なんだ。
いろいろ用意して出かけようとした時、ふみはベッドで仰向けになって、また口にものを突っ込んでる。
何回も何回言ってあげたのに、口にものを突っ込んじゃいけないんだ、特に仰向けの時、如何に危険かと、身振り手振りで教えたのに。どうしてこんなに言うこと聞かないでしょうね。


叱かられたふみは、泣いた。
もともとちょっと風邪っぽいから、泣くと鼻水がパーッと出てきて、お説教の途中だけど、仕方なく話を止めて鼻水を拭いてあげる。
ふみはしくしくと、「な、な、なみだも拭いて」って言った。

悲しみを強調してるの。同情心を喚起しようとしている。

鼻水を拭いた丸めたティッシュで、ふみの目頭を軽く押した。
ふみまたしくしくと「こ、こ、こっちも」って、拭かれてないほうの目を指差す。
もう、本気に泣く気あるのか。
仕方なくそっちの目頭も軽く押した。次またどんな要望がでるのかと警戒心が高まる。

「ね、ね、眠い、ねんねしる」とふみは正座のまま目を擦る。

(>_<)腹立つわ!
眠い、当然だもの、今朝何時に起きた?5時半よ5時半。(☆o☆)


そうなんです、この頃のふみは、また夜泣きが始まったのです。
もちろん夜泣きと言っても本当に泣くわけではなく、ゴロゴロしたり、ムズムズしたり、寝つきが悪くて、困っています。


ふみは生まれ出からずっと睡眠がよくないのです。

新生児は三時間置きに目覚めると聞いたけど、とんでもない、ふみの場合は、20分30分置きでした。やっと眠ったと思ってベッドに下ろしたら、すぐギャーギャー、ずっと同じ姿勢で抱っこして眠ってしまった夜は数え切れないほどありました。
客観的に見て明らかに寝不足の私は、眠いと感じなくなりました。目が開いていて、ふみが眠っても、私は眠れないのです。

……

思い出すだけでつらくなる日々でした。
やがて、これは自分の限界だと自覚し、私はお医者さんにかかることにしました。
寝不足で辛くて、昼間も眠い眠いと思うのは、普通です。
寝不足なのに、眠いと感じなく、さらに眠れないのは、すでに睡眠障害が起こしてるとのことで、お薬を処方してくれました。


助けられたと思ってホッとしたが、まもなく味覚障害が始まったのです。

最初は、なにを食べても美味しくないところか、味がないなって感じたけど、あまり気にしなかったのです。それからはなにを食べてもほろ苦さを感じてならないのです。それでも私はまだ物事の重大性を気づいてなかったのです。
ある日、好きなタイカレーをお店で食べたのです。
私は一番辛い「大辛」を頼んだのです。真っ赤なスープカレーですけど、私は全く辛く感じないのです。
なんだ、大辛なんて、しょせんこんなもんかなと思いながら、普通に食べていた。
けど私の周りの男性たちは、ハンカチで汗を拭きながら、息を吸いながら、氷水を飲みながら、「からいからい」と言いながらこの大辛を食べていました。
私は唖然としました。


お医者さんのところに行ったら、「体の機能がシャトダウンしようとしてる。現実があまりもつらい時には、人間は、失語や味覚障害や涙がでなくなる、などが起こる。体が動かなくなる例だってありますから…」

味覚障害。私の子育ての頂点でしょうね。いろんなお薬を飲みました。苦しかった。

……。
思い出すだけでもたいへんだったなって、この気持ちをどう処理するかわからないから、今日、保育園の連絡帳に、ふみ寝てくれないなど、悪口いっぱい書いてやった。へへ。



知人がこの植物をくれました。
ホテイアオイだそうです。
一夜でこんなに可憐なお花が咲きました。
水の中には、メダカ二匹とオタマジャクシニ匹(!)。一匹はすでに後ろの足が出てきて、いかにも蛙の足の形、蛙になって飛び出してくる前に、どこか放流できる場所を探さないとね。