仲秋の明月

涼しくなって、もう暑さは戻ってこないかとホッとしたところに、一昨日も昨日も32℃の夏日でした。やっぱり「寒さも暑さも彼岸まで」でしょうね。昔の人のほうが、暦のことをよくわかっています。
この週末は三連休です。私もふみも土日が休みなので、なにかのお買い物は、ふみに付き合ってもらうしかないです。


玄関に置いてる小さいガラスの天使の置物が、いつの間にか翼が折れてる状態になっています(《翼の折れてる天使》‐‐過ちを犯した少年少女の更生する物語のタイトルみたい)、このまま飾る訳にはいかないと思って。
あれは確かにたまたま入った、ちょっと離れてる町の、ある小さい雑貨屋さんから買ったものと記憶してます。



過ぎた土曜日に、32℃だけど、雨よりいいやと思って、ふみとその町に向かって出かけました。



新宿から埼京線に乗り換えました。ふみは、電車の本ではたくさん見てましたが、乗るのは初めての埼京線に喜んでました。

土日にも関わらず、駅も電車も混んでいます。
私の膝の上に座ってるふみは、だんだん頭がうなたれてきて、やがて目も閉じて、眠ったみたいです。
電車に乗る時、ふみはいつものように切符を改札に入れて、出てきた切符を、私はふみのシャツのポッケトに入れました。
眠ったふみを抱っこして改札を通る時、ポケットから切符を取り出すのが難しいと思って、今のうちにふみのポケットから切符をそっと取り出しました。


すると、眠ったはずのふみが、手早く私の指の間から切符を奪い返した。
「イヤだ、ふみちゃんが入れるの」とふみは寝言のように言いました。
ちょっとびっくり。


でも改札の前に辿り着く時は、ふみやっぱり眠ってました。
ふみを抱っこして、ふみの頭はしっかり私の肩に靠れてます。


その雑貨屋、工事中で閉まってました。内装工事なのか閉店したのかわかりませんが、残念です。
近くのデパートに入りました。
ふみをそっと横に寝かせられるタイプのベビーカーに入れて、身長92.6センチのふみの足は、かなりはみ出してました。もうベビーカーに乗る資格ないもんねと思った途端、ふみパッと目覚めて、「どういうこと?さっきまで埼京線の中なのに」と言って、周りを見渡してました。


秋らしいスカートがあって試着したりして、ふみはかなり飽きてきたと見て、一着買って慌てて出てきました。


うちに戻ってからご飯というのは、もう時間的に無理なので、駅あたりにあるお店に入って、ランチを。


外から「ワイショイワイショイ」という掛声が聞こえてきた。秋祭りらしい。ふみはすぐそれを覗き込む。



うちに帰ってちょうど昼寝の時間で、寝かしても、ふみはやっぱりなかなか寝ないね〜
保育園にいく日は、片道に30分かけて歩いて登園し、下園の時は大通りに沿って、遠回りして45分ぐらいかけてふみと手を繋いで歩きます。そうするとふみは夜やっとまあまあすんなり眠ってくれるのですが、保育園では昼寝いつも最後、つまりお友達は12時頃から眠るのですけど、ふみは1時過ぎにならないと寝ないんですよと先生が苦笑して教えてくれたのです。


休みの日はそんなに歩いてないから、土曜日の晩、見事に10時過ぎに(8時からあやして)やっと眠り、なのに今朝4時5時ぐらいから、ふみはもうムズムズし始めてました
(*´Д`)=з
まだ薄暗いから本人はなんとか起きるのを我慢したようですが、6時ちょっと過ぎになると、もう我慢できなくて、「ママおはようごじゃいまし」と声かけてきます。
┐(´ー`)┌


秋用のふみのパジャマを買いに、デパートに向かいます。今日は28℃の予報ですが、むしむしして、やっぱり30℃ぐらいあるんじゃないかな。


10時前のバスに乗りました。
ふみは、私の見てない時に、手早くボタンを押しました。私たちは終点まで乗るのに。
運転手さん指示通り次の駅にバスを止まり、降りるほうのドアを開けました。
「すみません。間違いました。ごめんなさい」と、一番後ろの座席に座ってる私は仕方なく大声で運転手さんに伝える。
ふみは関係ない顔して私に「運転手しゃん聞こえました?」と。
心配するなら自分で謝ってよぉ!


デパートで、ずっと買いたかったマフラーがいっぱい並んでるのを見て、私は、もうその場から足が動けないや。ふみは近くうろちょろ。
「ママ、抜けない」とのふみのよわよわしい声が聞こえ、見たら、ふみは、人指し指をマフラーの置いてるワゴンの金属棚の穴に入れてる!
もう…
店員さんは「どうしましょう、どうしましょう」とうろちょろし始めました。
私はふみを抱っこして、指をまっすぐにさせてからもう一回ゆっくり軽く引っ張ったのです。
指、出てきました。
私より、店員さんの顔がもう真っ青になりました。



この場所にもっといたら、今度ふみ殿なにをやりだすのわからないと思って、もうマフラー選びを諦め、さっきまで手に持ってる薄紫に淡い花模様のマフラーを買いました。


一番上の階のペットショップに行きました。
ガラスケースの中に、うるうるした目の子犬と子猫たちが寂しそうにいます。



白いワンピース姿の、ふみと同じぐらいの女の子がガラス越しで「わ、かわいい、はい、おてて!」と言ってる。なんて微笑ましい。
ふみはと言うと、ガラスケースの鍵を回したり、開けようとして、キーが付いてないから無理なのにも諦めずに、爪を穴に当てて、とにかくなんとか開けようとする。


「ふみダメダメ、開けたらにゃんこ逃げたらどうしよう、店長さんが来て、誰がやったのと聞いたらどうする?」
「はい〜ふみでし、ふみがやった、眉毛太いふみで〜し」
まっ、特徴まで申告して、逃げようとしないのがずいぶん男らしいですこと。
眉毛の太いことをよく人に言われるせいか(「お兄ちゃん、立派な眉毛してるね、おじさんにちょっと分けてくんない?」とか)、ふみは自分のことをよく「眉毛の太いふみちゃん」と自称する。


ペット売り場の熱帯魚と鳥を見て、屋上の遊び場に行きました。
ショベルカーの運転、電車の運転、パトカーの運転…一通りしてもなかなか帰ろうとしないふみです。



なんとか連れて帰りのバスに乗りました。
座席に付いた途端、ふみはすぐ靴と靴下を脱いで、座席に正座して外の移りゆく景色を見る(日曜日はバスいつもと違って歌舞伎町あたりを通るため、景色と言ったって、混み合ってる様々な人々)
「ママ足抜けない」とふみのぼそぼその声。
見たら、片方の足が座椅子の奥に入ってる、滑らせるように簡単に引っ張り出してあげた。
もう〜何回目?



昼寝は相変わらずでした。これじゃ夜またたいへんだ、歩かせて体力を消耗させないとって思って、ふみが目覚めてから、手を繋いでお散歩へ出かけました。

東宮御所の石垣を沿って、坂道を下がったり上ったりして、楽しんできました。





緑のトンネル(ふみはトンネルが大好き、けど小さい時はトンネルのことを、“とんねんねん”と呼ぶのです)



ママが発見した小さい秋。ふみは「こわい」と言う。全然怖くなんかありませんよ。


ふみは枯れた枝を拾い「小さい秋でし」と、それを振り回して、お巡りさんと会って、ご挨拶して、無意識にその枝を下水道の網蓋に突っ込んで、そのまま落としてしまった。
ふみ唖然と自分の何も持ってない手を見て、それがおかしくて私は笑いが止まらない。



去るものは追わず。ふみすぐ次の小さい秋を見つけました。

小さい秋より、ボロボロ秋ですね。





どんぐり発見!
まだ茶色くなる前のどんぐりをしばらく見て、ふみようやくそれがどんぐりと認め、
「♪どんぐりころころ、どんぐりこ…」と歌いだした。






「ママ、ここもなにか落ちてるよ」





お彼岸に咲くように準備万端の曼珠沙華





黄昏の西日。





黄昏の帰り道。


今日は仲秋の明月。まん丸のお月様はいつもの静かなお顔で空に現れました。


姉から送ってきた月餅と一緒に、郷愁も味わう今宵です。