めげない忍者

八日ぶりに晴れだと今朝のラジオで言ってました。ほんとう、見事な秋晴れで、まぶしい日差しに洗たくをいっぱいして干しました。


「♪思えば へちゃらしゃ、そーれ、そーれ、ゆーけ、ゆーけ、ぽちゃらりちち、しゃあらしゃあらしゃら〜…」
ふみが最近よく口にずさむ歌です。

何の歌か全くわからないから、ふみに聞いてみた。
「ふみ、なんなの?その歌は」
「そーれそーれゆーけゆーけ、ぽんちゃらりちち、だよ」
だからその「ぽんちゃらりちち」がわかんないのに。


連絡帳にそれを書いたら、先生から、
“(笑)運動会まで、謎のままでいてください。”
との返事がかえってきました。

運動会か。その歌の伴奏で、ふみたち何か踊るのかしら。ちょっと考えられないけど。年長のお兄ちゃんたちでしょうね。


ところでニ、三日前に、先生から、ふみ君はもうパンツでもいいんじゃないかな、オムツじゃなくて。昼間トイレの間隔はだいぶ開いてきているし、トイレまで誘ったらついて来て座ってくれるし、と。


わ、それは何よりだわ。
二歳半過ぎてから、ふみも、そろそろおむつが取れないとねってずっと思っていた。
けどふみは、朝、必ずおまるに座ってしてくれる以外に、少しもおむつが取れそうな気配がなかった。


「ふみ、がんばっておむつを取らないと、お友達みんなパンツになってるよ、わ、ふみ君まだおむつだと知ったら、笑われるよ、恥ずかしいでしょう。××君もパンツになったし、××ちゃんもおむつ取れたよ…」
「ママ」
「うん?なに?」


ふみはとってもまじめに私の正面を向いて
「ふみちゃん、おむつする、ふみちゃん恥ずかしくない」

「…。そう、ですか」
ふみのあまりの真顔に、思わず敬語を使ってしまった私であった。


時期を待つしかないなって半分諦めて来たので、先生にそう言われて、じつにうれしかった。


おもらしを覚悟して、パンツをたくさん購入。
翌日の連絡帳に、先生は
“ふみ君は、ズボンを半分下ろし、「みんな見て、パンツだよ、ショベルカーのパンツ」と喜んでお友達に見せてました”と書いてあった。
え〜〜、「ふみ、お友達にパンツを見せたの?」
「うん、みんな集まってきたよ」
すごい光景だね。


ふみがパンツが好きになれるように、アンパンマンだの、バイキンマンだの、ショベルカーだののパンツを一生懸命探してきたんだ。


その日、ふみ保育園では完璧だったが、夕飯後さっそく「おもらししたよ」と本人からの申告があった。


連絡帳を書く時、ふみが近づいて一緒に“読む”、しかも指で字をなぞりながら、
「うんちしてないけど、おしっこしました。おしっこを教えないのは心配でし」
(^o^)/ ははは、声を出して笑ってしまった。
「ふみ、わかってるじゃない。おしっこするマエに、教えてね」
「わかった。今度教える」
今度、今度、ふみいつも機嫌良く“今度”と言う。


昨日は保育園の帰りに買い物に付き合ってもらった。
電車に乗って、混んでるから座れなくて、ふみも立たせて一緒に外を見る。
新宿駅に着いたところで、「かいじ」が止まってるのが見えて、ふみはまた大袈裟な興奮ぶり、
「あれっ?なに?カイジ?! えぇ?!どういうこと?!」最後に白目を見せ、鼻の下を伸ばしての表情を作ってた。

最近ふみはよくこのようなおかしい顔を作って見せる。
「忍者!」と言って、両腕を伸ばして、歩幅を小さく足踏みして、なぜか白目を見せる。
本人がその後必ずガマンできなく笑ってしまうけど、どうして忍者が座頭市のようになるのか、全然意味がわからない(ふみは「座頭市」の映画やビデオなんかみたことがない)


何回もこの得意な忍者を見て私は慣れてるけど、よその人はそうじゃないことを忘れてしまってる。ふみ電車の中で「え?どういうこと?!」と言って白目を見せたら、さすが隣に立っている女性は、ふきだしてた。


ふみ今日も保育園でおもらししてしまった。
先生は、「最初みんなこうですよ。中におもらししたから、もうパンツがイヤになって、またおむつに戻って、なかなか取れない子もいる。ふみ君はパンツが好きでよかったんですよ」と。



シャワーして出てきたふみに、
「ふみ、帰りみち長いから、オムツにしようか」
「イヤだ、パンツ、パンツがいい」
いいな、少しも凹まないふみ。


夜、ふみ、二回もちゃんと、おしっこを教えてくれた。