今日は「寒露」

昨日の朝、パパが自転車でふみを保育園に連れて行った。


二人が出て行って、私が出かける時間まで、あと30分もある。


久しぶりに一人でうちにいて、久しぶりに自分のペースで朝の出かける支度をする。


窓から雨の前兆の湿潤な空気が流れ込んで、濡れてる草と土の匂いに濃厚な金木犀の薫り、思わず深呼吸してしまう。
シャンソンのテープをかけ、イヴ・モンタンの甘い声の《枯れ葉》に、肩の力が抜ける。
鏡の前に座り、ゆっくり髪を梳かす。


こんなにゆったりとした気分に、私は酔いそうになる。
人間の生活はこうでなくちゃ。ふみが生まれて以来、ずっと急いてて自分のペースが乱れる状態の毎日に、この30分間は、私に天国のようだった。幸せだった。



夕べから降ってきた激しい雨は、今朝になって、降ったり止んだりの霧雨になった。
ふみはまた早起き、今日は6時前に。
遊んでくれる人がいないと見て、
「つまんなぁい」と言う。
「子供のくせにつまらないとか言わないの」
「…つまる?」
それも違うよ!



やや長めの新しい機関車トーマスのカッパを着せて、ふみと保育園に向かう。
最近のふみはワイパーに夢中。
車のワイパーと一緒に腕を左右に動かし、名付けて「雨に踊れば・ロボット篇」


ザクロ。

小さい頃、うちに母が育ててたザクロがあった。植木鉢の中で、ちいちゃいザクロがいっぱい実ってた。


みかん?

ふみは「甘いかな」と聞くから、「甘くない、食べられないと思うよ」と答えた。
中国古詩で、このみかん?のことを
「金玉其外・敗絮其中」と言う言葉があって、中身のない人を例えたりする。ちょっと失礼な例えだけど。


コンビニの前を通る時、ふみは急にヨーグルトが飲みたいと言い出す。
「寒いのに冷たいもの飲まないほうがいいよ」
「イヤだ、喉渇いた、飲むの!」
まあ、今朝ふみはヨーグルトを食べなかったしと思って、コンビニに入った。

飲むタイプのヨーグルトの棚へ。いろんな味のあるけど、ふみは迷わずブルーベリーの絵が描いてるのを指さす。
ふみは飲むタイプのヨーグルトなら、ブルーベリー味一筋。
お金を払って、ふみにそのヨーグルトを渡したら、ふみはそれを耳に当てて
「もしもし、はい。しょでしか、わかりました」と、“物ボケ”してる。
「あら、誰からのお電話?」
「大奥しゃま」ふみはまるで本当のように迷いなく答えた。

ふみは大奥さんが好きなんだ。この前お会いした時、珍しく素直に「♪むかしむかし浦島は…」と歌まで披露。
大奥さんが、おばあちゃんと呼んでいいよとおっしゃってくれたけど、ふみ、やはりみんなと同じく大奥さまと呼びます。でも“大奥しゃま”になってますけど。



駅周辺、雨の中、区のトラックが、駐輪違反の自転車の撤収を行なっています。
ふみは「あ、このトラック、自転車運んでふみの保育園に行くの」
ふみの今の保育園の仮園舎の隣は、撤収された自転車の駐輪場なんだ。ちなみにパパの自転車も撤収されたことがあって、そこの駐輪場に、3000円罰金を払って取り戻したけど。


区の職員が次々と自転車をトラックに積み上げ、スピーカーから区の条例を放送している。
ふみはしばらく耳を済ませて聞いたあと
「ママ、もう、自転車、とられま、し、た!と言ってるよ」


保育園で、今日ふみは昼寝しなかったそうです。
また寝ないモードに入ったな。時々ふみは寝ないモードに切り替わるんだ。
夕飯はすでに支度してあったからよかったけど、それでもふみは作ってあげた小さいおにぎりをかじりながら、テーブルにほっぺを置いた。
そのまま、まぶたが重そうに、やがて目を閉じた。


抱っこしてベッドへ。パジャマに着替えさせ、ふみは5時半から7時半まで眠った。一旦起きて、またちょっとご飯を食べ、頑張って風呂に入って、歯を磨いて、眠ってしまった。
明日朝、また早いのでしょうかね(=_=)