立冬

歩いてるふみは、時々爪立ちするような変な動きをする。
「ふみ、足が痛いの?」
「うん。ここ」とふみは足の指あたりを指さす。


靴がまた窮屈になったね。
早いですね。ついこの前替えた気がする。16センチの。これじゃもう17センチの買わないとね。


靴のサイズが合わないままだと、いろんな問題を及ぼすみたいだから、急いでデパートに行って、スニーカを二足買った(普段用のと保育園に置きっぱなしの)。雨靴も買わないとね、雨は季節に関係なく降るのだから。


今朝、新しい靴を履いてるふみは、とても嬉しそう。
「ママ、ふみちゃん新しい靴だね、かっこいいねとカラスが言ってる?」とふみが。
カラスはゴミ置場を物色しながらガーガーと鳴いてる。
「うん、言ってる言ってる」。


お迎えに保育園に着いた。
立冬の日というのに、異様に暖かい。街では上着を脱いで腕に掛けてる人がほとんど。


先生が、
「ごめんなさいね、ふみ君、今日もお昼寝しなかったの…」

あちゃ〜、三回目だわ。
急遽帰りにお弁当屋さんに寄ってお弁当やおかずを買った。
うちに帰ってから夕飯の支度したりしてたら、その間、ふみ変な時間に眠ってしまう。ご飯やお風呂など全部乱れてしまう。
お弁当だったら、うちに着いた途端すぐ食べられる。それからお風呂にさえ入れれば、あとは安心だ。


ふみはご飯を食べて、お風呂に入って、もう目をこするばかりだった。
あやしたら、5分もかからないで、ふみは眠った。寝息も聞こえないほどの深い眠り。


窓の外は風の音が目立ってきた。明日は寒くなりそうだね。