地下鉄駅三つ分の距離

今朝の東京、10℃だって。
洗濯物を干してきたら、指が真っ赤になっていた。


冷たい指先をふみのおでこに当てると、ふみゲラゲラ笑って逃げ回る。


9時頃、ふみとお出かけ、新宿へ向かって。
今日は私のお買物に付き合ってもらうことに。


新宿まで歩いて行くのに挑戦。
新宿まで歩いて行くのは、私にはお茶の子さいさい。よくあることで、時間さえ許せば、電車も地下鉄も利用せず、いつまでもどこまでも歩いて行きたい気分。

ふみには初挑戦。歩き慣れてない大人にもちょっと長い道かもしれない。


日曜日の朝、おまけにこんなに寒い朝、街は寂しいんだ。ふみと手を繋いで歩く。
「ふみ寒くない?」
「うん!」
「おトイレの時、教えてね」
「うん!」
「寒いね」
「寒くないよ!」


ふみから元気をもらい、私も体を伸ばして闊歩。だんだん体は暖かくなってきた。
あっという間に新宿御苑が過ぎた。


もっと歩くと新宿二丁目あたりに辿り着く。
「ママ抱っこ」
ふみちょっと疲れてきたかな。足元はしっかりしてるけど。
抱きあげたら、ふみいつものような笑顔。
「ママ頑張って」
「え〜〜?ふみが頑張ればいいのに」
「ママ走って!」ふみは自分でウケて声をだして笑う。


9時半になった。おやつの時間なんだ。
道端のファストフード店に入ると、ふみは小さい声で「トイレいくぅ」と。


トイレから出て、ふみのオヤツに、ドーナツとコーンスープを頼んだ。
ふみは、外のたまに通る通行人や車を眺めながらドーナツを食べる。私は、コーンスープをスプーンでフーフーして冷ます役。


「どーなち、おいしいね」とふみはしみじみと。
そうか、ドーナツがおいしいか。うん…、なんかラードの匂いしてどうしても気になるよね。
昔はなかった(ラードの匂いがなかったか、それとも気にしなかったのかはわからない)、齢かな。



ふみさらに、「どーなちおいしいね、ベッキィー、どーなち食べてるよ」、と言った。
はははは、よくもまだ覚えてるねふみは。
1歳2歳頃のふみに、パパが絵本を読んであげて、中の一枚の写真は、男の子がドーナツ食べてる。食べてるせいか、しゃべってるせいか、男の子の口型は横に広げてる。
そしたらパパはその口型を真似して「僕、ドーナツを食べてるよ」を発音し、だんだん「ボク」が「ベッキィー…」になってしまった。
ふみ、まだそれを記憶していることがおかしくて、テーブルに顔を伏せて笑った。


お店を後にして、新宿三丁目へ進む。



一軒のハンバーガー屋さんの前、

ふみはこの飾りを前にして
「ロボットかっこいいね、パンおいしそうだね、お花きれいね」と戸惑いなくこのような言葉を発した。
一遍にこの三つの対象に、適切に言葉を“評論”したのを聞いて、感心して思わずシャッターを押す。


世界堂」に着いた。文具の専門店。



私のペンや便箋の買い物を済ませ、6階のカレンダーコーナーをのぞいでみた。

また新しい年を迎えようとしてるね。早いね〜。


帰り、ふみは、日曜日の歩行者天国に、はしゃいだ。

「どうもどうも」と、ふみはなぜかこの姿勢を取ってこのセリフです。



昨日は、おもちゃコーナーから粘土を買った。オランダ製で全部小麦粉と香料でできたもの。

夜、三人で粘土遊び。



「雨靴」

作者は私。デパートに雨靴を買いに行ったら、17号のが、ちょうど無くて、取り寄せに。


「猫」

パパの作品。


「ゾウさん」

パパの作品。


マンボウ」も「ゆず」も「亀」もパパの作品





「餃子」「ワンタン」「小籠包」は私の。実際昨日の夕食はワンタンをつくったから。




ふみはというと、一所懸命、二色の粘土を捏ね混ぜてた。




粘土遊びが飽きて、ふみは「涙くんさよなら」をひたすら歌う。
「涙くんさよなら」は最近のお気に入りの歌。
パパのギターの伴奏で、何回も何回も歌ってた。