またたい焼き

週末ですね。地球の自転が速くなってませんか\(◎o◎)/!


東京のたい焼き「御三家」の人形町のはまだ行ってないのが、どうも気がかりになってる。あそこは日曜がお休みなので、土曜に行くにしかないです。

昨日の生暖かい強風と雨から一転、冬らしい晴れの朝、ふみと人形町へ行こうく決めた。
玄関のブーツに足を入れた途端、何かとぶつかってると思ったら、ふみの靴下でした。
なるほど洗濯する時、ふみの靴下見つからないなって不思議だったのね。

ふみの小さなスニーカーは私のブーツの隣の何事もないように揃えてる。
「ふみ、どうして靴下をママのブーツに?」
ふみはゲラゲラ笑う。


地下鉄で人形町
たい焼き「柳屋」は開いてました!


噂ほどの行列まったくないね。
「あの…」店(本当に小さい店)にいる青年に訊ねようとした。
「店は十二時半から」と青年のあっさりした一言。
12時から?!こんな商売もあるんだ、北極の白夜じゃあるまいしね。
それより今は10時、どうやってこの2時間半を潰すかしら。


まず港屋へ。
前回日曜で「港屋」もお休みで、マグカップも買えなかったから。
港屋、好きな店(本当に小さい店)です。
大好きな夢二グッズがいっぱいで、おまけに店の名前はーー夢二の妻のタマキの店と同じだ。
タマキより、私はおようが好きけど、おように関する本や写真をわりと持ってます。まあ、これは別の話しだけど。


今日は港屋は営業中。
相変わらず夢二の絵の商品がたくさんで二つの目が間に合わないほど。

便箋を選び、マグカップを買って、色紙一枚を買った。
あまりゆっくり選べなかった。狭い店で、ふみはあっちこっち触るわ、美人絵のコースターを落とすわ(麻製でよかった〜)、もうそれ以上いると何をするかわからない、マグカップたちが割られる前にふみを連れ出した。
夢二の絵なら全般好きだから、どれでもよかったから助かった。
港屋はやっぱり自分一人で来るべきね。


色紙、さっそく玄関に、今までの「霜葉散る」を、この「朝の光」へと替えた。

夢二の絵を見ていると、最初に出会った時に感じたなんとも言えない落着きの気持ちは、今でも変わりはありません。


お茶の老舗で、焙じ茶を二袋購入。
北京にいる従兄へ送るんだ。
小さい時から可愛がってくれてる従兄は、年齢とともに、普通のお茶のカフェインに弱くなって、大好きなお茶だけどあまり飲めなくなったという。焙じ茶ならいいんだ。


中国では、「長兄為父」というのがあって、父親がいなくなると、長男が父親代わりになるという。
うちは男兄弟がいなく、父親が亡くなってから、なんとなく一回り上のこの従兄に親しい感情が湧く。父親代わりとかでは無理だが、とにかくより一層親しく感じる。



大きい玉子焼きの老舗、豆乳・豆腐製品の老舗、手作りかりんとうの老舗…うろうろして、まだたい焼きがどうすると決められない。
ふみはお腹が空いたと言った。


近くの水天宮の向かいの店で昼食を済ませるが、まだ12時もなってない。
諦めて帰ろうかと思ってた時、ふみ急に私の手を繋いで走りだした。向かい先は、道路工事の現場。

さっきは、まだショベルカー一台がさびしく止まってるだけなのに、いつのまにか何人もの作業員が工事を始めてる。


小さいショベルカーは器用に動いて、前のダンプカーの中のアスファルトを取って、道路工事の跡に入れた途端、作業員たちはスコップでそれを開いてる場所に埋める。


ショベルカーの運転手さんは警笛を鳴らす。するとダンプカーは少し前へ移動する。
運ばれたアスファルトを、前の人たちはスコップで凹んでるところに埋め、後ろの人は機械(名前は知らないが)を操作して埋めた場所の上に押し詰める。さらに後ろの人は箒で散らかってるのを集める。機械の動きが鈍くなったら、そばの人はすぐオイルを垂らす…
男たちはお互い言葉もなく、あ・うんの呼吸で働いてる姿は、実にすばらしい。


ふみと手を繋いで、半端じゃない音と暖かいアスファルトの強い匂いの中、工事の進行といっしょに移動しながら、じっと見てました。
ふみは、たまになにかコメントしてるようだけど、まったく聞き取れないんだ。

ふみは仰ぎ見てまた何か言ってる、しゃがんで聞くと
「せっかくショベルカーが撒いたのに、固まっちゃったね」と、ふみは言うこともなくショベルカーの味方なんだ。


気が付いたら、30分以上も経った。いけない、たい焼きに並ばないと!
お店についたら、まだ開店前だけど、小さい店舗の中にすでにU字形の行列。ひゃ〜

慌ててふみと並んだら、私たちの後ろにも、ぞろぞろお客さんが並んできてる。


12:30の開店だから、それまではもういっぱい焼いて用意してるだろうなと思いきや、12:30から焼き始めるって感じ。しかも焼く炉が小さく、オヤジ一人で焼いてる。
なんなんでしょうね、商売ってこういうもんなのかね。
行列の人たちは、長い時間を待って、そりゃ3個や5個ではないでしょうね、「20個お願いします」という先頭の女性の注文を聞いたら、すぐふみを連れて出てきた。
無理無理。

御三家の残りの一家は、なかなか叶わないね。


帰りの地下鉄の中で、ふみは眠ってしまった。