イルミネーション

師走と思えない暖かさ…と各テレビチャンネルとも、この2、3日の気温を、このセリフで言っている。確かに日中の18℃は懐かしく思った。
今日は満月、「お月さま、おおきいね。半分だったのに」とふみが。
暮れる少し前の空に月を探すのは最近のふみの習慣になった。


昨日は高島屋の子供美容室で髪を切ってもらった。夏からだいぶ伸びたから。
美容室に入った途端泣き出していた小さい頃と違って、今のふみはあの美容室に行くのが、かなり楽しみみたい。

「ふみちゃんは“働く車”の見る」ーー子供たちは高い位置の車に乗って(ハンドル付きの車で、ハンドルを回すと車輪も回る)、リクエストしたDVDを目の前に流してくれる。
アンパンマンポケモンなどがあるが、ふみは終始“働く車”だけ見たいんだ。
“♪乗り物集まれ、いろんな車…ハガキやお手紙集める郵便車〜…”
DVDの冒頭のこの歌を聞くと、ふみは嬉しそうな表情を隠せない。


いつも混んでいて、予約してるから、時間になるのを待ってる。
「ママ、もうふみの番?ふみの番でしょう。ふみ君〜と呼んだでしょう?」
呼んでない呼んでない。
「ママ、まだ?」
まだまだ。


ふみ呼ばれた。
「ママ、ここで座ってね」とふみは自分の位置に近い椅子を指さす。
「わかった。」

ふみはDVDをじっと見ていた。たまに美容師のお姉さんと何か喋ってる。ショベルカー関係の話しに違いない。




後ろを刈り上げる時(ふみには初めて)、バリカンの音に多少にびっくりしたか、姿勢を変えず、目で警戒してた。


「シャンプーよ」とお姉さんが言うと、ふみは従順にお姉さんと一緒にシャンプー台に行った。
昔なら、それからのことは、見えないシャンプー台から聞こえてくるのがふみの号泣だけど、今は全然静か(あとで美容師から聞いた話だけど、仰向きの時、「ママがいい」とふみが言ったと)。


戻ってきたら、ふみは椅子に置いてあるケープを見て、お姉さんに
「もう、これ、かぶらなくていい?」
「ん…、でも前髪まだ少しやりたいから、もうちょっとかぶってくれるかな?」
「イヤだ」
「えええ〜ちょっとだけ。頑張ってくれるかな」
「うん。がんばる」

へっ、こんなにあっさり。


すっきりしたふみが完成。
ふみはちゃんとお姉さんにお礼を言って、おみやげのビスケットもらった。
「ショウロンボー、ショウロンボー」ビスケットが口にあるせいで言葉が濁るけど、小籠包の専門店に行きたい気持を充分はっきり伝えてきてる。


髪を切ってから、あの小籠包の店「鼎泰豊」を行くのは、ふみの決まり事のよう。
ふみはあの店が無条件に好き。


行くよ、今日は。ママの知人とそこで一緒に食事をする約束しているから。


知人は一歳頃のふみと会ったことがある。二年ぶりだから、「大きくなったね」との驚きは当然だ。


あの時の人見知りのふみも、人懐こいふみになっている。


ママとじゃなく、知人のそばに座り、時々寄りかかったり、腕に抱きついたりして、すっかり知人の心を奪ったよう。
「ふみ君行こう、なにがほしい?言って」
「そんな、とんでもない」と私が制止したら、
「いいじゃない、クリスマスだし」とふみと手を繋いで、2階のハンズにあるクリスマスコーナーに直行。
結局サンタのお菓子の詰め合わせにして、また違うのを見ようとする知人を無理やりに連れ出した。


外のクリスマスイルミネーション、溜息つくほど美しい。





ここはみんな並んでその下に順番に入り、鐘のような音のあと、光の色が変わる。
結局なんのいわれがあるのは、よくわからないけど。






さんざん抱っこされ、最後は宮崎物産店でジュースを買ったふみであった。
知人はうちに着くのは10時ぐらいになるだろうね。





ふみは、わがままも聞いてくれた幸せの時間を過ごしたに違いない。