冬至の一日
とても暖かい冬至でした。
19℃の気温は、このまま春になっていくんじゃないかと感じた。
年々寒さに苦手になってきている私は、暖かい空気の中で、体がのびのびできる暖かい冬への憧れがだんだん強くなってる。
こんな日はうちにいるのがもったいない、日差しがいっぱいの広々のところに行きましょう。
9時すぎ、ふみと出かけた。
「今日はなに線乗る?」
ふみは目的地より、なに線が気になる、乗ったことのない線なら、大喜び。
「今日は皇居に行くから、有楽町線に乗り換える、ふみちゃん小さい時に有楽町線に乗ってたけど、もう覚えてないよね」
「こうきょ?なにあるの?」
「なにあると言われても…、堀あるよ、かもさんとか、お魚、かな、あ、美智子さまの住んでるところよ」
「みちこしゃま?みちこしゃまをみえるの?」ふみは美智子様の写真を見て、すぐ覚えるようになった。
「運がよければね」
地下鉄乗ったら、ふみは少しも抵抗なくマスクをつけさせた。
ホームに降りたら、ふみはいつものように先頭車両か後尾車両の運転室の運転士をじーっと見る、そして、向こうはふみのことが見えたかどうかにも関わらず、ふみは運転士さんに手を振る。
赤坂見附で降りて、後備の運転士さんはふみを見えなかった。
「手を振ってくれなかったね」と、ふみは電車が見えなくなるまで、呟いた。
有楽町線に乗り換え、桜田門駅で降りて、これも後尾の運転室、運転士さんはなぜか二人、中の一人はすぐふみを気づき、笑顔で手を振ってくれてた。
ふみ大喜だった。
地上に上がって、ふみは わ〜と声を上げた。
堀のさざ波がキラキラ、柳が優雅に微かに揺れ、鴨たちのんびりと水面に浮かぶ。
どう見ても、どう感じても、晩春としか…
市民グル-プのマラソンが皇居を回って行っている。
「あ、あそこ白鳥しゃんだ」
ずいぶん遠いところに、たしかに。
二重橋はどんな季節にも穏やか。
「ママ、ふみちゃんの虫メガネは?」
だから言ってるのに、自分に近づくではなく、見たいものに近づくんだよ〜
「白鳥しゃん、おいでおいで」
本当に水面に滑らせるように、こっちに近づいてくれた。
和田倉公園に到着
ふみは、「ダン、ダン、ダン、ダンダンダン…」と大好きな「展覧会の絵」を歌い始め(もちろんメロディだけ)
噴水も一緒にやってるように見える
貴重ないいお天気だから、お掃除日和にしないと。
カーテン・シーツ・布団カバーを洗濯、窓の結露によるカビを処理、掃除機をかけ、トイレ掃除…
ふみは急に「ママ、いつもお掃除して、ありがとう」とにこり。
思わずの一言、や〜うれしかった〜
今日は冬至、ゆずを二個買ってゆず風呂にした。
「ママとお風呂入るの、おひさぶりだね」
「ほんとう、ひさしぶりだね」
「ひさぶりだね」「ひさし、ぶり」「ひさしぶり」「そうそう」
「ママ、今日みちこしゃまに会えなかったね、ふみちゃんこんにちは言うのにね」
「はははは、本当だ、残念でしたね」
あ〜ゆずはいい香りだ。