坂道を上る
今日は朝から曇っていました。天気予報でも電話の177番の気象庁の予報を聞いても、夜まで雨がないと言っていました。
日曜日なので、ふみと近所のスーパーの朝市へ出かけました。
外に出てみたら、雨、ぱらぱらじゃありませんか!
どうしようかなと戸惑っているところに、ふみが、
「だ〜いじょうぶでしよ」とふみは、いつものようなボジティプぶりです(私が学ぶべきところでもある)。
朝市の生鮮コーナーは人混みですが、ここは人があまり来ないです。ふみの選択対象はもちろん、大好きなカレーです。
ふみは子供向きのインスタントカレーが大好きです。
帰りに物を三輪車に載せられると思って、買い物をいっぱいしちゃいました。
重い荷物を持ってふみとスーパーから出てきたら、雨は小雨ですけど、結構本降りになっています。
「だ〜いじょうぶでしよ」とふみは注文して買ってもらったバナナ豆乳を飲みながら相変わらずのポジティブぶりです。
逞しい〜
三輪車を押して坂道を上って、うちに帰って来ました。三輪車、助かります。
約束通り三輪車を譲ってくれていたふみにも助かったわ。
急いで洗濯物を取り込んで、換気扇を回しました。雨の日の部屋干しはこうしているんです。
洗剤などを買いに、ドラッグストアにも行かなきゃならないのに、雨じゃ仕方がないです。
ぼんやりテレビを眺めている私、紐で遊んでいるふみ、雨上がりを待っています。
ふみは最近紐を気に入っています。
床に這いながら、紐を移動して、「電車がまいります」と“放送”します。
時にはゴミ収集車の運転席に紐を入れ込んで、「紐さんが運転しまし」と紐を人格化までなさるのです。
窓の向こうの見える屋根がキラキラ濡れてるのを見て、まだ降ってるんだとわかる。それほどの静かな小雨です。
向こうの屋根が鈍い色になって来ました。窓を開けてみたら、上がってました。
ふみと再び出かけました。
坂道がとても多い町です。
坂道はたいへんですけど、風情ありますね。重い荷物を持ってなければ、坂道が好きです。
朝ごはんのパンを買いに、駅のフランスパン屋さんに行きました。
粉も水もフランスから輸入しているおいしいパン屋さんです。
パンを買いましたら、ふみがケースの中へ指をさして、
「ママこれ買って、これを食べたい、このクリームの」
シュークリームでした。
一個買いました、外の椅子に座って、ふみは食べます。
「白いところだけ、白いのだけ食べる」と指示しているふみです。
つまりふわふわの生クリームだけを食べ、サクサクの生地と真ん中のカスタードクリームは食べないんです。
仕方なく、残された生地とカスタードを捨てました。
餓鬼への供養と思えば(^_-)
私はシュークリームのおいしさが、いまだにわからないや。
なんででしょうね。やっぱり小さい頃食べたことがないからでしょうかね。
同じ理由で私はコーラをよほどの理由がないと買って飲もうと思いません。
同じくマヨネーズやトマトケチャップに対してもです。
また坂道を下がって上がって、うちに着きました。
ドア開けた瞬間、あれ?暖かい!
…
ガスストーブを消すの忘れました。はい、そうです。
ふみは笑ってました。
「ふみ、ママって本当にバカだね、死んだほうがいいよね」と思わず極端なことを言いました。
「ママ死なないで、ふみちゃん悲しいから」、ふみはやっぱり笑っています。
お〜い!わたし〜!だいじょうぶかい?!
私って、時間的にというか、気持ち的にゆとりがないとミス連発だなって、ふみが生まれてからよくわかりました。
静かな気持ちじゃなく、誰かにそばでせかされると、だめになります。
毎回出かけようとする時、ふみがそばでうろうろして、ママ抱っこ、ママ遊んでぇ、ママ…
今日だって、「ママふみちゃんの靴下は?」を何回も何回も言ってました。それを聞いて頭が混乱しそうになりました。
しかしこうも言ってられないじゃないかな、こうだったらこれからの日々どうしよう…。
とにかく情けなくなって、座りこんで絶望な感じでした。
ふみが向こうから歩いて来ました。
近づいてる笑顔のふみは、手を伸ばして、私の頭を撫でました。
ふみの笑顔、慈悲さえ映っていました。
なんだか涙がでました。
涙が、止まりませんでした。
「ママ泣かないで、うるさいよ。ママ、ママ見て、たこあげ」と、
ふみは指で眉間を押し上げて、言いました。
凧揚げ?初めて見る“芸”ですね。
「たこあげ」、私もやって見せました。
「ははは、たこあげ」ふみはさらに眉間を押しました。
救われたよふみ。
その後まもなく、ふみは遊んでいる紐を踏んで滑って、
「マ〜マ〜、顎いたい、あ"〜」と号泣して走ってきました。