開花発表
今日は朝から快晴。お洗濯日和、布団のカバーなどをいっぱい洗濯しちゃった。
干している時、ふみは動物図鑑を持って、ヘビのページを開いて、身を乗り出して、
「ママママ、見て、ヘビだよ、見てよ」とニヤニヤ。何回も。
ふみは時々こうやって私が苦手なこのページを見せ、困っている様子を楽しんでる。
いけずやわ。
ふみと出かけた。
「ふみ見て、あれは何の花かな」
「どれ?あれ?ふみちゃんが聞いてあげる。お〜い、これは何の花?」
誰に聞いてるのよ、この木自身に?
さすが春ね、お花がきれい。もっと前から咲いてるでしょうけど、寒いと、なかなかゆっくり鑑賞できなくてごめんね。
誰に言ってるの、お花に?
こちらは花じゃないけど、微笑ましい。
でも、今日は、ふみと急がなきゃならないの。
さくらを観に行くのよ。
市ヶ谷で降りて、靖国神社へ向かう。
なだらかな坂道、途中で野菜ジュースを飲んで一休み。
気づいたら喫茶店の窓だった。
道端のさくらは、もうちらほら咲き始めている。
気象庁の担当者が、開花の目安となっているソメイヨシノの開花した数を確認中。
マスコミも見物者もたくさん。
そういえば、さっき外でテレビ中継車が何台か止まってた。
十数輪の花が咲いたのを確認し、気象庁は「東京の都心でサクラが開花した」と発表しました。
発表したら、周りに拍手が起こった。
普段の生活のまわりはアスファルトばかりで、砂利や土は珍しいでしょうね。
枝を食べてって、そりゃ逃げるわよ。
また歩いて帰る。
帰りは下り坂だから、いくらかラク。
市ヶ谷駅に着いた。
もう春だね。
「問君能有幾多愁 恰似一江春水向東流」の古詩を思いだす。
今日もふみは、よく頑張って歩いてくれた。
疲れたとか言うけど、駅構内でまた走り出す。
洋服屋さんを覗いて見る。ふみはその間に休んでる
東京の都心の開花は去年より1日早く、平年に比べて7日早くなりました。
しかし日本人はデータが好きね。
開花予想、開花発表。
支持率、気候、初詣の人数、テレビに移されてる人の名前の後ろの(年齢)
…
そんなに気になることかしらね。そんなに重要な参考価値あるのかな。
こういうデータがいっぱい見ていると、人間はだんだんせかせかになっていくんじゃないでしょうかね。
「山があれば山を観る、雨が降れば雨を聞く、夕べもよろしい、明日もよろしい」
というのが、もっと人生らしいんじゃないでしょうかね。
まあ、自分に言っているようなもんだけど。