ウルトラマン

ふみとうちに帰る時、ふみはいつも一階のポストを指差して、
「ママこれを見ててね」と、階段を素早く上って行きます。
私が上がって行った時に、ふみは顔を下に向いて、低い声で「ふみちゃんじゃないで〜し」と言うのです。
あなたは誰ですか?と問いますと、ふみは、その日によって「ご飯君で〜し」だったり、「カレー君で〜し」だったり、「みふ君」だった時もありました。


「ごはん君、うちのふみなら、ちゃんと脱いだ靴を揃えるのよ、あなたもそろえて置いてね」
すると“ご飯君”は「ハ〜イ」と答えます。
なかなかいい子ですよ、ご飯君は(カレー君もみふ君も)。



この頃ふみの相撲に対しての情熱は、ますます燃えてきているようです。
保育園でも相撲取りを流行らしたみたいで、中庭でずっと相撲を、と先生から聞きました。

かと言って落ち着いてテレビの大相撲を見たりすることではなく、自分流の相撲取りに夢中ということです。


「はっけよ〜い、のこったのこったのこった」

この前は、勝ったあとの賞金を頂くマネまで出来て、なにより嬉しいのは、ふみはパパと相撲を取って勝って賞金をもらうたびに、必ず走ってわたしのところに、
「はい、ママ、賞金またもらった、はい」と、両手で賞金を持ってる仕草(かなりの分厚さ)をしてわたしに渡してくれるのです。

おほほほ、いいぞいいぞ、ふみは何の疑いもなく“稼いだ”お金を全部ママに、おほほほ
(^◇^)



この前、パパがダンボールで軍配を作ってくれました。ふみは“行司”と“軍配”との言葉も覚えたから。


ふみはいつもパパを“倒して”、イエ〜と喜びます。
が、ふみは倒されてました。どうなるかと思ったら、ふみは、即泣きだしました。
「イヤだ、パパあっち行って、イヤだ、お相撲のバカ〜」


これはダメですね。打たれ強くないと失敗に強くないと、なんにもできないし、もっと言うと生きて行けないぐらいですね。


「いいかふみ。勝負というから、勝つと負け。ずっと勝つのもあり得ないし、ずっと負けというのもあり得ないから、勝ったり負けたりするのが勝負だから。…。勝ったら、負けた人の気持ちを配慮しなきゃならないし、負けたら格好よく“参りました。勉強になりました”と言わなきゃならない、思わなきゃならないのよ…」
ふみはしくしくしながら聞いていて、主人は、
「あらあら、これでふみが相撲道を理解して、お相撲さんになりたいって言い出したりして」

お相撲さん?それは、ちょっと。



まあ、勝負なんぞ、ふみには難しい話なのかもしれませんが、でも、言い続けたいと思います。

理解する日まで、身につける日まで。




今朝、パパと相撲とりしているふみが、すました顔で、「相撲はぁー、勝ったり負けたりするんだよ」と言いました。


嬉しかったですね。




今日も寒いですね。午前は10℃も超えていないそうです。
9時過ぎふみと出かけました。
従姉が国に帰る前に、ホテルのフロントに、わたしへのささやかな記念品のようなものを残したというので、ふみとそれを取りに行きます。
徒歩で行こうと決めました。


ひゃ〜寒い。
ダウンコートを着たい気分です。
あまり寒いからゆっくり走りだしたのです、ふみと。
さかなさかなの歌を替え歌にして、
「♪マラソンラソンラソン、マラソンを走ると、からだからだからだ、暖かくなるのよ」
走っているうちに本当に少しポカポカになってきたような気がする。



新宿御苑のそばの散策道に沿って、ふみと歩いたり走ったり。


芽が出てきていますね。




いつの間にか木蓮も散ってしまったんですね。モクレンが結構好きです。簡単明瞭な感じで。




こちらのサクラは満開ね。暖かくなるのが待ち切れなかったかしら。




あ〜歩いた歩いた。ふみは疲れてきたようです。まだ道のりは半分残ってるところで休憩をとることにしました。

茶店に入り、ホットココアを頼みました。
小銭を取り出す時、指が凍っていて、うまく言うことを聞かないほどでした。

暖かいココア、助かるぅ〜〜



暖をとって、エネルギーをチャージして、また歩き出したのです。
今度は地下道にしました。風もなく、地上よりだいぶ暖かいわ。



また地上に上り、京王ブラザホテルに到着。




従姉はわたしに、紫水晶のピアスを置いてくれました。

きれいなアメジストのピアスを眺めて、わたしの耳たぶは、片方はもうピアスが通らなくなってるんだけどね。
十代に耳たぶに穴を開けたんですけど、その後また塞がってしまったんです。
今はイヤリングばかりですね。
でもこのピアスは大事にしますわ。



ホテルから出てきて、小田急デパートへ直行。
今日はウルトラマンとの握手会と撮影会があるので、ふみを連れて行きたかったのです。
この話を聞いて、ふみは最初あまり乗り気じゃなかったのだが、だんだん「ウルトラマンはふみを待ってる?」「ふみを見たら何をいうかな」など、乗り乗りになってきたのです。
ウルトラマンに、ウルトラマンの歌を歌ってあげる、というところまで、話しは膨らんで来ました。



屋上に設けたショーの会場に行くと、すでにたくさんの親子連れが座ったり立ったりしていました。
子供たちはもちろん、お父さんたちもウルトラマンのファンのかんじです。



司会のお姉さんが出てきて、とんでもないボリュームの音響で何かをしゃべっている、ウルトラマンを触らないようにとか、その音響の大きさで逆に話しが耳に入らないし苦痛でした。


さあ、ウルトラマンが登場。


元祖のウルトラマンではなく、なんとかレオだそうです。どっちも私には一切わからない話しだけどね。




ふみは、泣いた。
感動ではなく、“こわい”だそうです。
「帰る。ウルトラマン嫌い、こわい。イヤだ」とふみの涙が止まらないのでした。


ササッと地下鉄に乗って帰ってきました。


いっぱい歩いたので、ふみといっぱいお昼寝をしました。




近所の八百屋さんで、摘みたてイチゴを買った。
粒がやや小さいが、とても甘くておいしい。


イチゴ狩り、いつか行きたいな。