若葉
近くの神社の階段を上がったら、八重桜はまだ咲いてます。
街のソメヨシノも枝垂れ桜も、気がついたら葉桜になって、目に映るのは、緑・緑・緑。
一番好きな季節かもしれないね、今のこの頃は。
若い時は、なぜか秋と冬が好きだった。
格好付けてるわけではなく、その荒涼な灰色は、測りきれない深さを感じ、魅了されたでしょうね、今思うと。
けど今は春と夏が好き、明らかに好き。
やっぱり暖かいのがいい。
やっぱり緑がいい。
ふみは今日から保育園。
午後お迎えに行って、一緒にスーパーにお買物。
帰って来てから餃子を作った。
白菜を切るわたしを見て、ふみは「ママ、大根餃子を作ってよ、野菜嫌いよ」とばかり言う。
ふみはわたしの大根人参蒸し餃子が大好き。
この一品はふみの“おふくろの味”になるのかな。
でも今日は時間ないから、蒸し餃子は皮も作らなきゃならないけど、焼き餃子なら既成の皮を買えば済むんだから。
ふみは大きい餃子を食べたいというから、大判の皮を買った。
白菜と椎茸の豚肉焼き餃子。
おいしい〜
けどふみは白菜のシャキシャキするところがやっぱりだめみたい。
具をとり出して、具の味の付いてる皮だけをお酢をたっぷり付けて、おいしそうに食べた。
思わず笑った。
ーーわたしの小さい頃と一緒。
餃子は具を出して皮をだけ食べてた。
そういう時期は結構長かったな。
父親のお椀にこっそり餃子の具を入れ、皮だけ食べる。
最初父親はあまり気にしないで食べてくれるけど、3、4個あとは必ず怒る、
「具食べないなら餃子も止めとけ、うどん食べれば、具のない皮はうどんだろう」
違う違う、皮に餃子の味がすっかり付いてるのがいいのよ。
しかしふみは酢が好きね本当に。唇が白っぽくなってるよ〜