保育園の定期身体測定で、ふみの身長は順調に伸びているが、体重がまた減っていた。
せっかく15キロに上ったのに。

先週末の高熱と下痢のせいでしょうね。

赤ちゃんの時のふみは、ぷくぷく太ってた。今は、特に背中なんかは見た目が骨だらけ。
腰も細くて、ズボンがよく下に落ちていく。
唯一まあまあ逞しいのは太もも。しっかりしてる筋肉がちゃんとついてる。よく歩くからでしょう。


今日は18℃。暑くなく寒くなく、曇っていて、お出かけ日和。
釣りに行った。もちろん都内の。都心だね、この釣り場は。


料金は時間単位で、女性ならいくらか安い。
ふみは大人たちの場所より、この子供でも釣り楽しめるコーナーがいいと言って、こっちにした。
向こうだと水に落ちたらどうしようとばかり心配してた私にも、こっちのほうが都合がいいんだ。


30分のを頼んだ。
小さい竿と餌をもらって、ふみの初釣りが始まった。(わたしもです)



群れになっている鯉は、餌を追って水の中で黒い帯のように踊る。
中に赤いの、黄色いのもいて、錦鯉もいた。


ふみの歓声が聞こえ、釣れた!あっという間だね。
釣れたのは黒い鯉。
口に針が刺されたまま暴れてる。

こわいよ〜。でも即一歩避けたふみは頼りにならないし、口に針が刺さっている鯉はかわいそうだし、素手で鯉を掴んで、針を口から取った。
ぬるぬるして冷たいな鯉は。


私も釣れた!やっぱり黒の。赤などのを釣りたいな、けど、なかなかうまくいかない。
ふみも余裕が出来て、竿を持って、魚が食いつくのを待ってる間に、「あっ、総武線だ」と、一々上のほうを通る電車のことを気にする。
集中してやってよ!

水中の黒い帯の移動が面白くなったのか、ふみは竿を一点に固定するではなく、トンボのように、ちょんちょんと水面のあっちこっちに移動する。
「ふみ動かさないで」と言うわたしは、まったく同じことをやってる。
だって、釣りたいものだけを釣りたいんだもん、どれでもいいじゃなくて。


向こうにいる女の子とそのお父さんは、そんなにうまく釣れないのに対し、ふみとわたしは、あっという間に5、6匹を釣った。ここは釣れないほうがおかしいよ、簡単過ぎて。
向こうは、なんで釣れないのだろう。釣りたいという気持ちが強すぎて、警戒心は人間の何倍も高い魚(動物も)が察知してしまうからでしょうかね。


あまり釣れて、ちょっとつまらなくなってきた。ふみは大人のコーナーのほうに行きたいと言い出した。
それはダメよ。そこはそんなに簡単に釣れないし、ふみが大きい声で喋るのは絶対に嫌がられるし、よしたほうがいい。


まだ30分も経ってなくて、餌も半分以上残ってるのに、釣りは止めることにした。

餌を適当に水槽に落とした。すると鯉たちは狼のように集まってきた。

竿を返し、釣ったものは二匹以内なら持って帰られると言われ、ふみにどうすると聞いた。
「持って帰る!」とふみは少しも迷わず。


わたしたちが釣った魚の入ってる網を引き揚げ、中の魚を、渡された洗面器の中に移した。


すると一匹が跳ねて、地面に落ちた。
「ふみ早く、早く捕まえて水の中に入れるのよ」とわたしは言った。

ふみは手を後ろに組み、一歩下がって、
「イヤだよ、手が魚臭くなるのがイヤ」と。

し〜んっじられない!
仕方なく私はその小さくジャンプしている鯉を掴み、水槽に放した。


洗面器の中の、よく動いてる元気な二匹を選んだ。店の人が、袋に鯉を酸素と一緒に入れてくれた。


熱帯魚の売り場を見学。

熱帯魚たちもいいが、


ふみはやっぱり“亀しゃん”が一番気になる。



カメレオンなどの爬虫類もいるが、ふみは「こわいから」と、見るのを止めた。

帰りは新緑を楽しみながら堀を沿って歩いて帰ってきた。電車の一駅分、結構長いや。


お昼近い、疲れたところでファミリーレストランに入った。
ふみは大好きな子供向きカレーを食べた。
大好きなのに、「ママ一口食べていいよ」とカレーを一口と、セットの中の一切れのから揚げも、わたしの前にさし出した。

いいのに。でもやさしいなふみは。
ふみにとってわりと重い袋も一生懸命持ってくれたね、ふみは。「重いからママが持ってあげるよ」と言ったら、「だいじょうぶよ、ふみは力持ちだから」だって。



鯉二匹は、

お寺の大きい水槽に放した。
ちょうど一匹、年取ったのが死んだばかりだと、大奥様が。

ふみはその鯉に、一匹は“タンポポ”、もう一匹は“○○神社”という近所の神社の名前を名付けた。


近所の神社の八重桜、まだ咲いてる。