浜離宮 お台場

けさ、ベランダの植木鉢たちに水をやる時、ふみも玄関からサンダルを持って、一緒にやりました。アジサイはとても元気です。

ふみはこういう世話が好きなようです。
夕べもふみはお寺の観音堂に行き、ホースのレバーを押し、大奥さまが育ててるお花たちに水をやったのです。


「ママ、お花たち、のどはもう渇いてない?」
「もういっぱい飲んだから、ふみに感謝をしてるよ、助かったって」
「お花たち、もうお腹すいたんじゃない?何食べる?」
「水でいいしょう?」
「お花は水飲んで、土を食べるよ」

なるほど!


前ふみと一緒に釣った魚は(あれはどうも鯉ではなく、フナという)、大奥さまの大きい水槽に放し、元からいる金魚二匹と一緒に元気で暮らしています。

おもしろいことに、あの二匹のフナはずっと一匹の金魚にくっついて泳いでる。白い金魚の大きいお腹の下にいて、じーっと見てないと見当たらないほど。
なんででしょうね、あの白い金魚を、お母さんだと思っているのかしらね。
かわいくて、どこか心痛い感じもします。

今日は曇りと言ってたけど、結構晴れてました。

ふみ、また昨日のように、寅さんところ行こうなど言ってましたが、わたしの「浜離宮に行く」との提案に同意してくれました。


連休中の朝は、町はまだ眠ってる感じで、いつもより寂しいです。

地下鉄で新橋に着きました。

浜離宮は前にも行ったことがありますけど、道の記憶が少しあやふやで、通りかかった警官に尋ねました。
やっぱり長い歩道橋を渡って行くんだね、記憶間違いでないわ。

「ちぇしちょうのおまわりしゃんだね」とふみが。
警視庁のお巡りさん。
ふみは“き”を“ち”“け”を“ちぇ”と発音してしまうんです。
ちぇ・しちょう、なんか韓国の方の名前みたいね。


今日は「緑の日」のため、都内の庭園がみんな入場無料となっています。
浜離宮に入って、他の観光客と違って、わたしたちはこの草茫々としてる道を選びました。



この風景、どこかが懐かしくて…



タンポポがたくさん生えてて、ふみがそれを摘んで息を吹きかけたら、小さい落下傘がいっぱい飛び散った〜


ふみはそれが面白くて、摘んで、吹いて、摘んで、振って、また摘んで。


こんな土の道を踏むのは、気持ちいいですね〜めったにないことだから。



「ママ、さくらんぼ!」


「ママ、さくらんぼ落ちてる」



この木に、何かが潜んでそう。



タンポポいっぱいだ!」




しかしこんな田園風景のようなのは、本当に気持ちがよいですね〜





水上バス、お台場ゆき、10時半発…」との声が聞こえ、なんと乗り場はすぐ近くなんです。
「どうするふみ?船、乗って見る?」
「うん」ふみは興奮もなく、平淡な顔して言いました。


船ね〜 
箱根、芦ノ湖で観光船に乗ったふみは全然何にもありませんでしたけど。
その前、去年の今頃ですね、ふみと隅田川の屋形船に乗って、ふみが船酔いし、吐いて、わたしの服もスカートも浴びられ…


保育園の先生が、「ふみ君はどうもブランコが苦手みたいですね。ブランコをいっぱいさせたほうがいいですよ、脳の三半規管にいいんです、でないと乗り物酔いになりやすいと言われてますから」とわたしに言ったことがあります。
けどふみは、「ふみちゃんブランコなんか大嫌い」と言い続けています。


待ってる時間は2、3分で船が来ました。
乗ったらすぐ出発です。

そんなに大きい船ではないですから、多少揺れますし、しぶきも飛んで来ます。





ふみは段々無言になって来て、「具合悪い?」と聞くと、「悪くない」と答えるけど、決して愉快ではないのは確かなようです。

(吐かなきゃいいな、まだお昼を食べてないからだいじょうぶよ、早くお台場に着かないかな)とばかり考えてた私でした。


無事にお台場に着きました〜




「ふみ、さっき気持わるかったでしょう」
「うん、ふねがゆらゆらするから」
「でもふみちゃん、箱根のあの海賊のいる船では酔わなかったね」
「あの船はゆらゆらしないんだよ」




お台場、来たことがあるんだっけ。あまりないと思うな。とにかくあまり賑やかなところは疲れてしまうから、よしています。


案の定、お台場は半端じゃない人出でした。家族連れが多く、耳が痛いほどの騒ぐ声です。

建物に入ってふみを連れてトイレに。そこもまた行列で、でも時間がかかったおかげで、ふみはすっかり気分よくなってきたみたいです。ソフトクリームを食べたいと言い出して、連れて行きました。

大型ショッピングセンターですね。あまり好きではない場所だけど。落ち着かないですから。ふみも早く帰りたいと言い出して。


もう昼食の時間なので、エレベーターで上のレストラン街へ。ふみは、何が食べたいと尋ねられた時、迷わず「お蕎麦、冷たいの、もりそば」と。
ダメだよ。ママはいいけど、ふみはもっと栄養のあるものを食べないとダメじゃない、毎日お蕎麦で大きくならないよ。


ふみは次はピザを提案しました。
OK。
店も行列。



ふみはピザの上に乗せてるジャガイモや玉ねぎやベーコンを丁寧に除いてから、おいしそうに食べました。しょうがないね本当に。
ママも小さい時は野菜嫌いだったけど、でもジャガイモとインゲンだけは食べてましたよ。
あと加熱してないものなら、トマトとキュウリも果物感覚で食べてました。
ふみの野菜嫌い、なんとかならないのかしらね。


ご飯を食べて、さっさと建物から出てきました。

あ〜やっと息ができる感じです。




ゆりかもめに乗って、混雑の中、奇跡的に一番先頭に立てました。
ふみは大喜び、すっかり運転手さん気分でしょうね。

ふみが赤ちゃんの時もママがふみを連れてゆりかもめを乗ってたよ、ベビーカーを押したりして、たいへんだったよ。
覚えてるわけがないか。



♪線路は続くよ〜 と言いたいところだが、線路がないのが、ゆりかもめですものね。




新橋で降りて、地下鉄に乗り換えるため構内で歩いてたら、ふみが急に、
「あ、たつのおとしごだ」
見てみたら、本当だ、キーホルダーのようなのが売っていて、虫や蝶々のがある中に、竜の落とし子がいた!
「これはもう一個しかないよ」とお店の人が、
ふみに買ってあげました。



これはフグ、パパへのおみやげ。

両方とも本物です。